教育福島0052号(1980年(S55)07月)-031page
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案の中に定着するまでには、まだまだ時間が必要であろうが、年々、指導者が誕生していることは、心強い限りである。
次に、講座の内容について、概要をご紹介する。
1) コボル
コボル言語の文法を研修する。全くの初心者でも習得できるようになっている。コボル1)のコースを終了すると売上一覧表などの簡単な作表をコンピュータに行わせることができる。
コボル2)のコースでは、大量のデータを分類したり、データファイルにデ−夕を追加・削除を行うファイル保守ができることを目標としている。
2) フォートラン
フォートラン言語の文法を研修する。初心者でも修得できる点は、コボルと同様である。フォートラン1)のコ−スは、初心者向け。2)のコースは、中級程度。3)のコースで課題研修を行い、プログラミング技術の向上を図ることを目標としている。
3) 情報処理・技術
コボルかフォートランのいずれかの講座を終了して、コンピュータの基礎的な知識・技術をつけた上で、応用編ともいうべき、コンピュータの利用技術を研修することがねらいである。
利用技術の分野は、非常に広範囲にわたっているので、その一部を取り扱うことになる。今年度は、昨年度に引き続いて、オペレーションズ・リサーチの基礎段階を、1)のコースで取り扱い、2)のコースでは、パートなどのプログラミングを研修することになっている。
4) 数値制御工作機械
一般に、NCI作機械とよばれているものである。コンピュータを利用して、切削作業を自動的に行う一方、精密な加工ができる。NC制御のためのプログラミングと切削実習を1)のコースで行い、2)のコースでは、プログラミングをコンピュータに行わせる、白動プログラミングを取り扱う。
なお、この講座は、1)と2)を隔年ごとに開設しており、今年度は、2)のコ−スを実施する。
(二) 生徒実習
図2は、昭和四十七年度から昭和五十四年度までの、実習生徒の推移を示したものであろる。
昨年度は、来所して実習する生徒数が、約二千名と若干増加した反面、OMR(マークシートを郵送して行う)を利用した生徒数が減少しているが、OMRの利用を、来所して利用する方法に変更したためである。また、実習生徒数が、頭打ちとなっているのは、速隔地にある学校が、経費や時間的な都合で、実習できないからである。
実習は、いつも熱心な雰囲気につつまれている。次は、生徒の実習感想文の一部である。
「これまでの高校生活では得られなかった"なにか″をつかむことができた。クラスの人の表情は、真剣そのもので、室内には、活気がみなぎり、なにがなんでも問題を解くんだという気迫さえ感じられました」
学校にはない、本格的なシステムに触れ、四十数名が一斉に利用できることもあって、生徒の学習意欲をかきたてているのだろう。実習のもつ個別学習の良い面が強く現れ、成功感を味わって帰る生徒が多くみられる。
三 終わりに
生徒実習は当然のことながら、講座の運営に当たっては、実習に多くの時間を充当している。
新学習指導要領では、体験学習を重視しているが、研修された先生がたは身をもって体験学習の良さを体得されて帰られるようである。これは、当教育センター情報処理教育講座の特色でもある。
来るべき情報化社会の進展に備え、一人でも多くの有為な人材育成を必要としている今日、本県高等学校における情報処理教育の量的拡大と質的向上を目指して、各教育研究団体と密接な連携を保ちながら、情報処理教育講座を、より一層充実したものにするために努力したいと考えている。
図2
実習生徒数の推移(47年〜54年)
(単位千人)
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表1
講座名 概要 コボル1) 初歩的なコボル言語の文法を学習し簡単な一覧表作成のプログラミング実習等を行う コボル2) 中級程度を目標とし、ファイル処理のプログラミング実習等を行う フォートラン1) フォートランプログラミング入門から一次元配列までを取り扱う フォートラン2) 二次元配列、サブルーチン、ファイル処理のプログラミング実習とマイコンのプログラミングを取り扱う フォートラン3) 教材・業務・専門に関するプログラムを開発するため、課題を設定して研修する 情報処理・技術1) OR入門・シミュレーション、・線形計画法の紹介 情報処理・技術2) PERT/TIME・待ち行列についてその技法とプログラミングを研修する 情報制御工作機械2) FAPT3の文法とプログラミング実習コースで、隔年ごとに行う 産業教育実技(工業科) ラジオアイソトープの特性、取り扱い、測定法を実験実習を通して学習し、工学、医学、生物学、生物学等における利用を研修 産業教育実習担当教員(商業科) 情報処理関係科目における指数内容と指導法について、見学、研究協議、講習を通して研修する
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