教育福島0052号(1980年(S55)07月)-037page

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みは順に五十名で打ち切り、その後の希望者については講座を自由に受講できるよう配慮した。

受講生の内訳は、女性三十三名(六十六%)男性十七名(三十四%)で、テ−マ及び講師は表1のとおりである。

現地探訪の実施

学習方法は、講義や話し合いによる形式であったが、唯一の現地研修である「史跡みてあるき」が大変な好評を博した。

歴史を物語る追跡を視察しながら、説明が聞ける。そして資料と実際を結びつけ、膚で感じる学習展開となり、もう一、二回実施してほしいという声もかなりあった。

成 果

社会教育は、ややもすると教室ばかりで学ぶと思われがちであるが、身近にこんなにすばらしい学習の場があり歴史の重みを膚で感じる学習がなされたことや、「相馬の郷土芸能」では笛太鼓、歌の実演による意表を突いた講義となり、内容が変化に富んだ実に充実した学習であったというのが受講生の声であった。

また文化財保護の立場から、文化財の案内板の設置、分布図及び説明資料を作成し、市民にもっとPRしてほしいという声。歴史を学習するだけでなく清掃ボランティアを行い文化財を保護しようと郷土を愛する積極的な声も出て関心が高まった。

とみに、転入してきた市民にとっては相馬市をよく理解する上に役だって大変有意義であったという声も聞かれた。仕事の都合で欠席した人からは講義をテープにとり希望者へ聞かせるなどして、サービスをはかってほしいという要望もあり学習に対する意欲と情熱が感じられた。

今後の課題

当市では、婦人層を主な対象とする婦入学級、家庭教育学級などの開設は進んでおり、参加者も多いが、成人男子を対象とする成人学級、講座への参加が少なくて課題となっている。成人の今日的な立場と課題とを考えるとき職業技術の向上、生活の向上、地域発展への参画、子女の養育など成人のさけて通れない面がいっぱいある。

今後成人の課題をすべて事業化することは困難であるが重点的かつ要求度に応じて選択した事業を実施していくことは目下の急務である。

このような地域社会の状況の中で成人大学が開設され、終了に当たっては学習者からは継続開設の要望が圧倒的に多く出され、一応の成果を上げることができたので、これを契機として、成人の学習・講座への参加をはかっていかなければならないと思っている。

 

浪江町大聖寺での現地研修(史跡みてあるき)

 

浪江町大聖寺での現地研修(史跡みてあるき)

 

 

 


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