教育福島0053号(1980年(S55)08月)-015page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
配慮する必要がある。
○ 全体計画を作成し、特別活動の全体構想を明確にする。
○ 学校の創意を十分に生かすようにする。
○ 児童生徒の自主的、実践的な活動を助長する。
○ 学校の諸条件や地域の実態などを考慮する。
○ 各活動の内容ごとの指導の重点に基づき、組織や運営のあり方、それぞれの活動における児童生徒の参加のし方を明確にする。
(六) 教育課程の実施
教育課程の実施に当たり、配慮しなければならないさまざまな事項があるが、特に配慮すべき事項は次のようなものである。
1 学校生活全体における言語環境を整えること
学校における言語環境としては、教科指導の際の話しことば、板書の文字、掲示物やポスターの文字、校内放送における話しことば、会議などにおける話しことば等がある。これらの点に十分留意し、言語の教育が適切に行われ児童生徒の言語力が高まるようにしなければならない。
2 能力・適性等を把握し、その伸長に努めること
児童生徒の能力・適性等を的確に把握するとともに、各教科等の指導においても、それぞれの能力・適性等に応じて教材を用意し、また指導方法を工夫して、その一層の伸長を図るような指導を進めるようにする。
3 視聴覚教育や学校図書館の利用に努めること
学習指導の効果を高めるためには、教科書の活用はもちろんのこと、その他の教材、教具の選択、活用ということを十分配慮する必要がある。
各学校においては、教育機器の整備も進んでいるので、今後はソフトウェアの開発やその適切な活用、計画的な活用に努める必要がある。
教科書の使用に当たっても、学習指導要領に示す各教科の目標、内容に照らし、また、児童生徒の実態を考慮して必要によりその記述内容の取り扱いに軽重を加えたり、内容を精選したりすることも考える必要がある。
学校図書館の利用が重要視されているので、各教科等の学習指導の中で積極的な利用を考慮する必要がある。
4 学習の遅れがちな児童生徒等への配慮をすること
学習指導要領に示す各教科等の目標や内容は、標準的な能力・適性を持つ児童生徒を想定しているものであり、また、学習指導要領の内容は、特に示す場合を除きすべて取り扱わなければならないのが原則である。したがって学習の遅れがちな児童生徒や心身に障害をもつ児童生徒に対しては、その実態に即して適切な取り扱いをするよう配慮する必要がある。
5 生徒指導の充実に努めること
生徒指導は、一人一人の生徒が毎日の生活の中で積極的に自己実現を果たし得るように援助指導するものであり学習指導と並んで学校教育上重要な機能を果たしている。
学校が教育課程の編成に当たっては生徒指導の観点からも、種々の工夫が必要であり、生徒指導の目標が教育課程全体によって達成できるように配慮する必要がある。中学校においては、全教育活動を通して適切な進路指導の推進が図れるようにしなければならない。
五 学習指導の改善
(一) 指導計画の作成
1 指導計画作成の意義
「指導計画」は学校で編成された教育課程を完全に実施するために、その内容を具体化し、指導活動が調和を持って、系統的、発展的に進められるようにするための教育計画である。
したがって、指導計画の作成にあたっては、学校教育法施行規則の規定をふまえながら、学校の実態、児童生徒の心身の発達段階と特性を十分考慮することが大切である。また学校全体としての教育効果を期待するためにも、教科間、学年間の関連を図るとともに同一学年の教材についての順次性や配列などにも留意することが必要であろう。
2 指導計画の種類
1) 教育課程と指導計画
教育課程とは学校の教育目標を達成するため、教育内容を児童生徒の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画である。教育課程も指導計画も、教育の計画であるが、指導計画は教育課程をうけてその内容を具体化したものである。
指導計画は、期間、領域、機能から次のように分けることができる。
ア 期間から
年間指導計画、週指導計画、日案、時案(学習指導案)
イ 領域から
各教科指導計画、道徳指導計画、特別活動指導計画
ウ 機能から
全体計画、部門別・分野別計画
3 指導計画の作成
指導計画の作成は学習指導要領の学年別目標や内容に基づき、地域や学校の実情、児童生徒の実態を考慮して作成される。年間指導計画が基本となり月、週、日、時案等へと深められ、具体化されることになる。
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |