教育福島0053号(1980年(S55)08月)-016page

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年間指導計画の作成に当たっては、自校の教育課程に基づいて作成されなければならない。便宜上広域カリキュラムに補正を加えて自校案として使用している学校では、月、週、日案ヘ深めていく過程で、前述した事項を配慮しながら、全職員の参加のもとに、しかも教師一人一人の創意と工夫を働かせながら作業することが大切である。

これらの過程で、具体的に「ゆとりあるしかも充実した」学習指導のあり方を検討することも重要である。

 

(二) 教材研究の進め方

 

1 教材研究とは

指導しようとする素材が

・どんな教育的価値があるのか

・どんなしくみになっているのか

・どんな関連をもっているのか

などを明らかにし、それに総合的な考察を加え、更に、実際の授業の過程を予想しながら、この教材はどのように学習させることが望ましいかについて研究することである。

 

2 教材研究の必要性

・目標を的確につかんで指導に当たるため

・「教えること」と「考えさせること」を明らかにし、授業を効率よく展開するとともに、価値の高いものにするため

・必要な資料を整備し、その活用を考えさせるため

・他学年、他学科との関連を明らかにするため

・児童生徒のレディネスをおさえるため

 

3 教材研究の視点

・教材を成りたたせている事実や知識についての研究

・教材が含んでいるねらいや指導事項についての研究

・児童生徒に教材を即応させるための研究

・児童生徒の思考と教材のはたらきとの研究

 

4 教材研究の手順・方法

・教材の持つ教育的価値を明らかにする。(目標分析)

・教材のしくみを明らかにする。(構造分析)

・教材の関連を明らかにする。(関連分析)

 

5 教材研究の評価

1) 教材研究評価の視点

・指導のねらいが明確で教材の本質にせまった教材研究であったか。

・教材内容が構造的にとらえられ、指導の重点が明らかであるか。

・指導過程に即しているか。

・資料が児童生徒の実態、学習のねらいに即し、精選されているか。

2) 授業を実施しての評価

・教材のねらいを児童生徒一人一人が主体的にとらえたか。

・教材のしくみが理解されたか。

・教材の重点を理解し、学習が定着していたか。

・多面的な教材研究であったか。

・思考を容易にさせ発展させるための資料が効果的に利用されたか。

教材研究は、素材があり、児童生徒があってその意義を有するものである。本来は個人の研究が主体となるが共同研究などで、より科学的、客観的な研究も今後必要になってくるであろう。

 

(三) 授業充実のための条件

 

1 よい授業とは

1) 目的的である

授業の目標が教師ばかりでなぐ児童生徒にとっても明確におさえられ、教師や子供の活動がそれによってコントロールされている。

2) 活動的である

発問、応答が活発に展開されるばかりでなく、十分に考えて活動する生き生きした集団の姿がみられる。

3) 学習内容が精選されている

易から難へと適切に配列されているとともに、児童生徒にとって学び甲斐のある、力のつくものであり、解決の成功感を味わうことができる。

4) 内的報酬がある。

児童生徒の心の中に「やってよかった」という実感と「よし、この次も」という知的欲求が満ちている。

 

2 授業を充実させるための条件

1) 教科の本質に即して、的確に目標をとらえる

教材のしくみを構造的にとらえ、児童生徒の実態に即し、目標を的確にとらえる必要がある。

2) 児童生徒のレディネスをとらえる

学習に適するだけの身体的、精神的な成熟の度合を的確にとらえなければならない。

3) 学習の課題を明確にとらえさせる

児童生徒が見通しを持って生き生きと、自主的に、効果的に学習させるためにも、より具体的で、生きた学習課題を提示する必要がある。

4) 教材内容を明確にとらえる

学習指導要領の内容を明確に把握するとともに教材を精選し内容の重点化を図る。更に教材と学習活動との関連を図りながら構造的にとらえることが大切である。

5) 個別指導の徹底を図る

一斉指導の形態をとりながらも、個に応じた指導の場を指導過程の中に明確に位置づけるなど定着を図るための時間も十分確保できるよう工夫することが必要となる。

6) 学習態度の育成を図る

意欲を持って、しかも真剣に取り組もうとする学習集団としての力を醸成するとともに、学習のし方を身につけさせなければならない。

7) 効率の高い学習指導法を工夫する

教師の特性を生かしながら協力的な

 

 

 


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