教育福島0053号(1980年(S55)08月)-022page
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やグループでの人間関係の喜び、自発的活動の満足、運動後の満足感など子供たちにとって最大な魅力ある時間帯としての工夫をすべきであろう。
(四) 評価と改善
児童生徒の体力が、スポーツテスト等を通してどのように変容したかを確め指導の改善を図ることが一般的に考えられる。更に大切なことは、学校の運営面からの評価と改善を図ることである。
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すなわち、校内のそれぞれの目的に対する組織と、その機能が指導の効果を決定することを考えると、校内における体力づくりのための運営組織は、重要である。そこで、全校体制としての推進委員会が組織・運営されるわけである。
したがって、これらの委員会を通して指導の実態を把握し、反省し、改善を加え、それを積み上げていくことが経営者としての重要な態度である。
九 生徒指導
(一) 生徒指導の意義と課題
現在の学校教育において、生徒指導が強く要請される理由として非行の増加があげられるが、生徒指導の意義はこのような児童生徒の非行対策といった消極的な面にのみあるのではない。
生徒指導は、一人一人の児童生徒の持つ諸条件(素質、能力、環境、生育歴、進路の希望等)に即して、現在の生活に適応し、個性を伸長させるものである。更にその所属する集団生活の向上を図るとともに、集団の成員としての生活を充実させ、更に将来において社会の中で自己実現ができるような資質、態度を育成していくための指導や援助である。
文部省刊行「生徒指導の手びき」には、生徒指導の性格及び役割として次のように示している。
1) 生徒指導は、個別的かつ発達的な教育を基礎とするものである。
2) 生徒指導は、一人一人の生徒の人格の価値を尊重し、個性の伸長を図りながら同時に社会的資質や行動を高めるものである。
3) 生徒指導は、生徒の現在の生活に即しながら、具体的、実際の活動として進められるべきである。
4) 生徒指導は、すべての生徒を対象とするものである。
5) 生徒指導は、統合的活動である。
以上のことから、生徒指導は「すべての児童生徒を対象とし、一人一人の人格の価値を尊重し、個性・能力の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や行動を高めることを目的として行われる教育の機能である」と意義づけることができる。
児童生徒の非行が増加する傾向にある現在、ともすると生徒指導が非行対策のみにとらわれがちになりやすいがこのような時こそ生徒指導の意義を再確認し、教育活動としての生徒指導を積極的にする必要が痛感される。
このような生徒指導に対して、現在どのような課題が負わされているのか考えてみよう。
ア 教師と児童生徒及び児童生徒相互間に、望ましい人間関係を実現し、促進する必要がある。
イ 社会人としての望ましい資質、態度、基本行動様式等の望ましい習慣形成のための指導を組織的、計画的に進める必要がある。
ウ 生徒指導の計画を整備、改善し、計画に基づく的確な指導をすすめる必要がある。
エ 生徒理解・教育相談について専門的な知識や技術の研修を深め、指導の強化充実に努める必要がある。
オ 関係諸機関、団体と緊密な連携を図りながら、児童生徒の健全な発達に努める必要がある。
(二) 学業指導
学業指導とは、学校教育活動のすべての面において、一人一人の児童生徒が意欲的に取り組み、自らの学業生活の改善と向上を図るように援助指導することである。
学業指導は、すべての児童生徒を対象にして、自ら学ぶという積極的で意欲的な学習態度や豊かな創造性を育成しようとする開発的な指導に重点をおくことが大切である。また、児童生徒の知的な側面ばかりでなく、行動や性格の面や、児童生徒を取り巻く環境の面からも指導しなければならない。学業指導の内容としては、次のものが考えられる。
ア 新しい学校生活へのオリエンテーション
イ 選択教科の選択
ウ 学力の弱点の診断と治療
エ 学習意欲不振、学習興味欠如の克服
オ 学習方法・技術、学習習慣の開発指導に当たっては、集団指導のほか
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