教育福島0053号(1980年(S55)08月)-048page
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ぼくの学校わたしの学校
福島県立安積高等学校御舘分校
旧校舎
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新校舎
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三 年
橋本宏子
キンコンカンコンと授業終了の鐘がなる。みんなが、おもいおもいの部活動で汗を流して帰るころには、ドッドッドと耕うん機の音がする。田畑で仕事を終えて帰ってくる父や母である。まわりの田んぼではゲコゲコとかえるが大合唱をはじめる。
そんななかに、我が安積高等学校御舘分校がある。今年、新築され設備の整った校舎である。旧校舎にいたころ想像していた以上にすばらしい学校となった。
思えば、今年三月まで学校生活を送ったあの校舎!木造二階建ての古い建て物で、雪が降るとよくガラスのすき間から入ってきて床につもったものだった。
二階の廊下を走ろうものなら大変である。校舎全体がゆれるといってもいいほど大きな震動を感じた。体育館がないため廊下に並んでの始業式、終了式である。また、グラウンドは狭くバレーボールなどをやると、よく先生がたの車にボールが当たった。
今はもうそんなことはない。グラウンドは、野球・ハンドボール・バスケットボール・バレーボール・テニスが同時に行えるほどの広さである。なにもかもが新しく、昔とは変わってしまった。
しかし、一つだけ、少しも変わっていない、御舘分校が創立して以来の昔のままの、これからも変わることのないものがある。それは…、それは生徒と生徒、先生と生徒のふれあいである。
これだけは、今も変わっていない。各学年一クラスずつの小さな分校であるからこそ成り立つ先生と生徒のふれあいは、他の学校にはない楽しい雰囲気を作りだしている。なにひとつとして自慢できるものはないが、私たちの学校は、すばらしい人間関係の宝庫ではないだろうか。ここでの三年間は将来の人格形成に大きな影響を及ぼすにちがいない。
先輩と後輩の関係というより兄弟のようなふれあい−後ろ姿を見ただけでなん年の誰であるかわかるような−がある私たちの学校を誇りに思う。
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