教育福島0054号(1980年(S55)09月)-038page

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教育センターから

教育工学講座の紹介

 

一 教育工学講座のねらい

 

新しい指導要領では、学習内容を基礎的、基本的なものに精選し、児童生徒の個性や能力に応じた教育が行われるよう望まれています。これまでも教材を構造化し、基本的な学習が身につくよう努力されてきたところですが、学習すべき内容が多く、「新幹線教育」にならざるを得ない一面もあることは否定できません。今回の改訂では、内容の一部を削除する一方、ゆとりあるしかも充実した学校生活を過ごすために、教科の時数も削減されていますから、従前と同じ学習指導法で進めていたのでは、これまでと同様な欠陥が生じてしまいます。したがって、より以上に指導法の改善に努力するとともに創意を生かした展開の工夫が必要になってきています。

教育工学講座では、これからの指導の方策について考え、更に、教育機器等も積極的に取り入れながら、子供を主体とした学習をいかに進めていくかについて、機器操作の実習なども加えて研修できるよう運営されています。

 

二 講座とその内容

 

「工学」という言葉から、工業的、技術的なものを連想されたり、ある特殊技術的なものを連想されたり、ある特殊な研究分野などのように受け取られがちですが、そのような専門的な知識や技量を持った人の研修ではなく、日常の指導を科学的に見つめなおし、より効果的な指導過程を組み立てたり、効率的な方法を取り入れたりして改善していこうとするものです。

したがって講座も小・中・高校ごとに設けられており、小学校は一次(一回)、二次(一回)、中学校は二次(二回)、高校は二次(一回)の計五講座が設けられており、延べ百四十名の先生がたが研修されます。次の表は九月に実施される小学校二次の講座の日程ですが他の講座もほぼこれに近い内容です。

 

科指導にその視点をあて、これらを統合的に研修されるよう計画されています。

 

教育工学の研究分野は、1)視聴覚的教育工学(コミュニケーションメディア理論や視聴覚教育論)2)情報科学的教育工学(情報科学の手法やモデル理論)3)行動科学的教育工学(授業過程や学校集団の組織あるいは学習の方式などの授業展開に関する技術)4)人間工学的教育工学(教育機器をはじめとする教具等の設計並びに利用等の教育施設設備の開発)など多岐にわたりますが、本県の学校教育の現状をふまえながら、特に教科指導にその視点をあて、これらを統合的に研修されるよう計画されています。

 

(一) 教育工学的手法の導入

 

これまでの持導プランについての問題点を見つけ出し、その中で特に重要な「目標」のとらえ方や表現内容について考え、指導目標と目標行動との関連を明らかにしながら、目標分析の方法や評価とのかかわりについて検討を加えます。

また、各校における教育機器の充実状況や活用の実態について話し合い、活用上の問題点を明らかにし、今後の研究の進め方についても協議します。

 

(二) 教育機器の活用法

 

教育機器の活用に当たっては、これまで、数多くの実践がなされ、活用上の技術面でもかなり開発されていますので、それらの効果的な利用法について講義を受けるとともに、操作法やソ

 

 

 


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