教育福島0055号(1980年(S55)10月)-007page
(二) カリキュラムの中での位置づけ
二年生は、リーダー四時間、文法・作文二時間の週六時間の授業があるので、リーダー四時間のうち一時間を独立させてLL授業をする。LL授業は、二年リーダー担当者が行う。各学年の週当たりの授業時数は次表のとおりである。
(三) 教材
LL教材は「教科書に密着したものでなければいけない」という考えもあるが、「LL授業でつけた聴解力・発話力は、リーダー、文法・作文の教室授業と結びついて総合的な英語力に発展する」と考え、本校二年生の実態にあった市販音声教材「エレメンタリーLL英語教本」(大修館)を自主編成し利用する。
またLL授業では、音声教材が中心となって授業が進行し、単調な学習形態になりやすいので、学期に二、三回NHK学校放送"Watch and Listen"をVTRに録画し利用する。
三 LL授業の実際
▲教壇での指導▲
(一) あいさつ
生徒を英語の雰囲気に引き込むために、英語であいさつをし、日常の出来事などを簡単な英語を使って質問したり話したりする。
(二) 前時の復習
前時に学んだ会話文の復習をする。生徒には、前時にテープ、スクリプトを配布し暗記するよう指示しておく。各ペアを組ませて対話練習させる。
二、三組を指名し、教室の前に出て実際の場面を想定させ対話を発表させる。うまくできたら全員で拍手をする。
(三) 目標文の理解
本時の目標文を板書し、ポイントは色チョークでアンダーラインをつけるなどして、学力の低い生徒にも意味用法を確認する。本時の目標文なので、消さずにずっと残しておき視覚的イメージを与えておく。
▲操作室での指導▲
(四) 聴解練習
1) 提示の方法
会話文の内容を表す二枚の絵図を、テレビ、カメラを使いテレビ画面に提示し、会話文を二回聴取させる。
2) Check-upの方法
聴取させた内容を、どの程度理解できたかアナライザーを使い、二者択一のaural checkをする。正答は提示しないで、電動タイプに記録しておく。
(五) 発音練習、模倣、反復練習
Attention Pointer→Listening→Checking→Mim-mem practice→Reproductionの教材構成でテープレコーダーに録音させ、各自自由に練習させる。テレビ画面にwords,ph-rases,sentencesを提示する。学習状況を、モニタリングしたり、相互通話回路を使って必要に応じて生徒一人一人に注意を与えたり、時には励ましたりする。
(六) 休憩
ヘッドセットを使っての練習は疲労しやすく集中力が鈍るので、気分転換
模倣・反復練習教材構成例
(注)#=生徒に反唱させる為ための
a)=生徒に反応を求めるための