教育福島0055号(1980年(S55)10月)-011page
電子計算機実習
(二) ハードウェアの実習(別表)
1)基本回路の実習
2)モデルコンピュータによる各種回路の実習
3)マイクロコンピュータの実習
(三) アナログ電子計算機の実習
(四) 生徒の興味・関心
電子計算機実習にかぎらず、電気実習全般について言えることだが、一斉指導からグループ指導、個別指導を中心として、生徒の能力、適性を考慮しながら展開されるので、他の科目より生徒の興味、関心は高く積極的に取り組む姿勢が見られる。特に製作実習では、それが顕著である。
電子計算機実習についても興味、関心が高く、それまでほとんど無気力だった生徒が時間を忘れて熱中して取り組むことが多い。このことから電子計算機の指導において、理論的体系に基づいて、ハードウェアからソフトウェアへと指導することを基本としながらも、生徒の実態に応じて、学習意欲の向上、効率的な指導を考え、これとは逆に、初めにプログラミングとその実習を実施し、電子計算機に興味を持たせ、学習意欲を向上させてからハードウェアの指導を行っている。
六 おわりに
今年度は、電子計算機の導入初年度なので、ソフトウェアの指導ではプログラミングの基本的な手法にとどめているが、今後電気実習におけるデーターの処理などにも利用し、応用的な面の指導にも力を入れたい。
また、一般的な電子計算機の利用としては、座学における学習の定着度測定とか、学期末の成績処理などに使用しているが、その他の事務処理的な面に多角的に利用し電子計算機の稼動率の向上を図りたい。
電気科以外の学科、機械科、商業科においても、それぞれの教育課程に位置づけた、情報技術教育、情報処理教育を実施している。
社会
視聴能力を高める指導(K・J法)
福島県立会津女子高等学校教諭
満田修
一 はじめに
倫社の指導で大切なことは、知識を抽象的に理解させるのではなく、この科目に生徒の興味と関心を持たせ、自己の生き方を主体的に思索させることにある。倫理的思索を深化させる方法として、放送教材「人間とは何か」を継続視聴させてきたが、生徒の書いた視聴カードを分析すると、放送内容の部分的、断片的な把握にとどまり、また放送内容の見落しや、正確さと主体的に解決しようとする意欲が欠け、ものの考え方が画一的で、創造的思考力に問題があった。これらの点を改善する方法として、K・J法導入による学習指導を試みた。
二 研究の概要
(一) 研究計画
放送の視聴内容が断片的把握にとどまり、かつ生徒の創造的思考が劣ることの一つの原因は、教師の視聴指導に問題があり、授業方法が講義式に片よっていると考え、次の仮説をたてた。
倫社の指導において、放送教材を活用し、K・J法図解による学習を継続すれば、視聴能力は高まる。
1)K・J法理論の指導
K・J法は異質のデータを統合する技術として、川喜多氏によって創案されたが、これを放送学習に活用しようとしたのは、K・J法図解が放送内容を理解する一助として、視聴能力の育成に役たつのではないかと考えたから