教育福島0055号(1980年(S55)10月)-018page
とに予備「学習ノート」を提出させ、添削による個別指導を徹底し、自学自習の習慣化を図った。
・添削に当たっては、基本事項の定着を図るとともに、全体の理解度、個々の定着度を確認し、授業展開に留意した。
・授業に当たっては、予備「学習ノート」の活用を図りながら展開し、質問−応答形式によって、主体的学習活動ができるようにした。
・本時の「学習ノート」を添削して一人一人の理解度を確認する。
(二) 「栽培体験学習」について
・プロジェクト「学習ノート」に栽培・管理計画をさせ、たねまきから収穫まで継続して栽培体験させた。
・生育段階に応じた「栽培技術体系カード」により、生徒が主体的に取り組む意識や学習意欲を高めるために自己評価をさせた。
・「栽培技術体系カード」(別表)により理解度を確認する。特に、「基礎学習」との結合のさせかたに留意した。
・基礎的技術の習得に「作業分析図解」を作成させた。
五 「基礎学習」と「体験学習」との結びつきについて
(一) 「基礎学習」−「根の観察」から
1)育苗期の根の観察(ネギ)で、初期生育における根は、縦型の楕円形の分布をしていることを確認させ、植物の根の呼吸について考えさせる。更に土壌環境との関係に発展させ講義しておく。
2)側根の解剖顕微鏡による観察
3)定植後六十日の根の観察をさせ、側根の増加、不定根の伸長状態について観察させる。
以上の観察によって、育苗期における根と定植後の根の変化から、根が生理的にとる必然的伸長現象であることを理解させる。
(二) 「体験学習」−「ネギの土寄せ」から
(一)の1)・2)から、根は、土壌に通気性のある方が良く伸びるという知識理解、根の弱々しさを理論や認識を超越した感覚的な理解によって、断根による生育阻害にならないように「土寄せ」する管理の仕方を考えさせることができる。
1)一回に多量に過度の土寄せをしないこと。
2)土寄せは、根、茎葉への害を少なくし、生育を阻害しないようにていねいに行うこと。
表1 栽培技術体系カード