教育福島0055号(1980年(S55)10月)-021page

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これについて感想を発表させた。

エ 望ましい習慣は、乳幼児の将来の生活を考えて育成する必要のあること。(諸外国における習慣の違いも例に)生活環境によって習慣のつき方は違うこと、修正するには大変苦労のいること、習慣を育成するには、保育者と保育される者の間に深い信頼関係が必要なこと、特に情緒の安定した状態でなければ、望ましい習慣は形成されにくことを把握させた。

 

五 結果と反省

(一)生徒の反応(感想)

乳幼児の観察や幼稚園の訪問から、乳幼児の澄んだ目を見ては保育することの大切さが身にしみ、興味が出てきた。母性本能を発見した。子供と遊びたくなった。通学途上での子供に接することも楽しくなった。

(二)目標に対してどれだけせまることができたか。

研究課題を割り振ってあるが、まじめによく取り組み、資料のまとめ方も生徒らしさに親近感も出て、他の生徒たちも刺激を受けて意欲的に討議に参加していた。

カラマの適応過程の表や、学会カセットテープ(遺糞について)を利用したことによって、乳幼児期の環境が生活習慣の上で重要であること、一度ついた習慣は、なかなか修正しにくいことなど強く感じとったようである。

グループ発表の資料として、生徒の製作したOHPを活用したが、保育学習に対する興味を起こさせる手助けとして効果的であった。特に図表「重ね式」展開は比較研究段階の思考に役だった。子供の姿の写真も、生徒が授業に興味を示し、学習活動が活発になり関心が深まった。

 

六 反省

一つの現象を種々な角度から検討を加えたり、共同作業によって生徒の得たものは、私が想像していたものより更に大きかったようである。この授業を通して、「保育する心」を育てることの大切さを強く感じた。

年間計画を検討して、内容を精選し、教材の構造化を考えながら、生徒に「考える」「見る」「実践しよう」という意欲を見い出させるように、自主性と自体性をもって授業をすすめることに目標をおいて教材の研究を続け、多様化する生徒に対応していきたい。

 

乳幼児の観察記録

 

 

 

 

 


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