教育福島0055号(1980年(S55)10月)-024page

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味わわせ、その時いかにわずかでも精神的な満足感を与える。

イ 障害がいかに重度であり重複していても、可能なかぎり心理適応をはかりながら感じる心を育てるとともに、いくらかでも感情を豊かにする。

B 感覚機能の向上

ア 障害がいかに重度であり重複していても、個々の状態により、又はその時々の状態に応じて、介助の方法を工夫し、基礎的な感覚機能の芽ばえを助ける。

イ いかにわずかでも運動の自発がみられたら、個々の障害に応じた教材教具を工夫して与え、基礎的な感覚機能を育てる。

C 運動機能の向上

ア 障害がいかに重度であり重複していても、個々の障害の状態により、又は、その時々に適した介助の方法を工夫し、基本的な全身運動の機能を育てる。

イ いかにわずかでも基本的な運動の自発がみられたら、個々の障害に適した教材教具を与え、運動範囲の拡大を図るとともに、基礎的な全身の運動機能を伸ばす。

D 意思の伝達

ア 障害がいかに重度であり重複していても、可能なかぎり人的物決言語環境を整え、言語の芽ばえ、を助ける。

イ 正しいことばでゆっくり、はっきり、たくさん語りかけるとともに、わずかな反応にも必ず応え、いくらかでも言語発達(情動、交信、発語、会話、文字)を促す。(注1)

 

障害がいかに重度であり重複していても、可能なかぎり心理適応を図かり児童生徒一人一人の個体特性、経歴特性に即しかつその時々の状態に応じて、助け方を工夫したり、教材教具を工夫したりして、重度・重複障害児を家庭教育→学校教育→社会自立のための基礎教育という通常の児童生徒と同じ教育の筋道の中で、適切に教育し、その教育の効果を公にしていかなければならない。

教育は(重度・重複障害に限らず)「子ども自身の生命活動の躍動、躍進をちょうどよい時期に、適切に、適度に助けて、そのときそのときの充分な開発の実現を期することにあります。教育にたずさわるおとなは、うまくいかない場合に、その自らの努力がむなしかったり、その期待が裏切られたなどと嘆いたりうらんだりするのでなく、おとな自身の助け方が時機にあわず、その時の対処のしかたが適当でなかったり、そのときの状態に対して、その助け方の程度に過不足があったことを自分から反省し、助け方をあらためていくことなのです。」(注2)という意見もある。

(二) 授業の展開

前項の指導目標のもとで、毎度の授業をどのように展開しているか、下に

 

養護・訓練学習指導案(個別)

 

1.題材名 好きなこと

2.目標 (略)

3.指導計画 (略)

4.本時のねらい

わずかに動く上肢を使って、下界へのさぐり、確かめの活動を促進し、あわせて上肢機能の強化、拡大を図る。

5.対象児の実態

・脳性まひ(四肢関節拘縮、精神発達遅滞) ・年齢 11歳 男 昭和50年度入学

・首がすわらず、寝たきり、食事、排泄などA.D.Lは全面介助 呼名すると返事をする ・棒状のものはつかめ、絵もかく

・おうむ返しではあるが、20程度の発語がある

6.指導課程

 

 

 

 


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