教育福島0055号(1980年(S55)10月)-034page
わたしの研究実践
地域教材開発と授業の構成
郡山市立大島小学校教諭
菅野斐子
一 主題設定の理由
教材研究の不足、現場学習の不徹底から、社会生活についての知識の積み上げや記憶させることのみに力をそそぎ、児童自らが考え、正しく判断できる能力の育成面がおざなりになり、児童の社会科に対する関心が低い。
児童が楽しんで学習できるようにするには身近に残る地域の素材を教材化し、さまざまな体験を通して今まで知らなかった新しい事実を発見したり、社会的意味を実感として把握したりする喜びに浸らせることが大切であると考え、本研究に取り組んだ。
二 対策
(一) 地域の素材を教材開発の視点から教材化し、社会事象を児童の生活との切実なつながりの上でとらえさせる。
<教材開発の視点>
1) 目標に対して典型的なもの
2) 児童との生活の関連の深いもの
3) 追究できる可能性のあるもの
(二) 多様な学習活動を通して、主体的に学習が展開できるように指導過程を工夫する。
1) 児童の問題意識をほり起し、主体的に追究できる指導過程を組む。
2) 多面的な学習活動を通して思考できる場を設け、基礎的能力の育成を図るとともに、社会生活の意義を実感として把握させる。
三 研究実践の概要
(一) 単元名「きょう土を開いた人々」
(二) 小単元名用水路を作って水をひく
表1 単元の構成