教育福島0056号(1980年(S55)11月)-012page
五十万円)
4) 医療貸付け 八十万円(改正前六十万円)
(5) 償還期間の短縮に関する事項
A・B償還表のほか、新たにC償還表(十五〜百八十回)を設け、償還期間の短縮を図ることとした。
なお、住宅貸付け以外の貸付けについては、C償還表のみの適用となる。
短期給付
一 医療保険制度
わが国の医療保険制度は、健康保険(一般被用者)、日雇労働者健康保険(日雇労働者)、船員保険(船員)、国家公務員共済組合(国家公務員)、地方公務員共済組合(地方公務員)、公共企業体職員等共済組合(三公社職員)、私立学校教職員共済組合(私立学校教職員)及び国民健康保険(一般国民)の八つの制度に区分され、カッコ内の被保険者又は組合員のほか、その被扶養者である家族もこれらの制度の適用を受けることとなっている。
このうち、公務員を対象とする共済組合は、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合であるが、この名称は総称であり、具体的には、国家公務員共済組合については各省庁等別に、地方公務員共済組合については職種又は地方公共団体の区分によって、それぞれ単位共済組合が設けられている。
国家公務員又は地方公務員は、医療保険に関しては、本来は一般被用者として健康保険の被保険者とされるわけであるが、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第十二条第一項の規定により、一部の例外を除き、健康保険法の規定による給付は行われないこととされている。また、同条第二項で「共済組合が健康保険事業を実質上代行するものである以上、その給付の種類及び程度は、健康保険法による給付の種類及び程度以上でなければならない」こととしている。例えば、後に述べる災害給付は、健康保険にはなく共済組合独自の給付である。
健康保険との関連を述べたのは、健康保険制度の改正が共済組合の短期給付制度に影響することが多いためで、例えば、昨年国会で審議され成立寸前までいき廃案となった「健康保険法の一部を改正する法律」案では、健康保険における医療給付の自己負担分の改正(一部負担金制度及び家族療養費等の改正)が図られたが、この法律案が成立していたとすれば、共済組合の短期給付制度にも同一内容の改正が行われることになる。
二 短期給付という名称の由来
公務員の共済組合では、短期給付(医療保健)、長期給付(年金保険)の給付事業と福祉事業を行っているが、短期又は長期というのは給付期間の長短、回数等によるものではない。公務員の共済制度は健全な保険数理(収支相等の原則に立って、保険事故にもとづく支出とその支出にあてるために必要な収入を測定し、保険料率を算定する計算技術)を基礎として定めることとされているが、医療保険について、その保険料率(掛金率及び負担金率)を算定する方法が毎年度の支出は毎年度の収入で賄うという建前の短期に亘る計算によることで短期給付としたことが主な理由に考えられる。
三 短期給付の区分及び種類
短期給付の区分には、給付内容、給付条件等が法律によって定められ、各共済組合が共通して行う「法定給付」と、法定給付を補完する意味で一定基準に従って各共済組合がその定款に定めるところによって、任意に行う「附加給付」とがある。
法定給付は、保険給付、休業給付及び災害給付の三つに大別される。
(一) 保健給付
・ 療養の給付及び療養費=組合員の公務外傷病に対する医療給付
・ 家族療養費=被扶養者の傷病に対する医療給付
・ 高額療養費=被扶養者の傷病についての医療費が高額のため、自己負担分の金額が一定限度を超える場合に行う給付
・ 出産費=組合員の出産に対する給付
・ 配偶者出産費=被扶養者である配偶者の出産に対する給付
・ 育児手当金=出産児を育てる場合に行う給付
・ 埋葬料=組合員の公務外死亡に対する給付
・ 家族埋葬料=被扶養者の死亡に対する給付
(二) 休業給付
・ 傷病手当金=組合員が公務外傷病によって勤務できなくなった場合、給料が支給されなくなったときに行われる給付
・ 出産手当金=組合員が出産によって勤務しない場合、給料が支給されないときに行われる給付
・ 休業手当金=被扶養者の病気その他の一定事由によって組合員が欠勤した場合、給料が支給されないときに行われる給付
(三) 災害給付
・ 弔慰金=組合員が水震火災その他の非常災害によって死亡した場合に行われる給付
・ 家族弔慰金=被扶養者が水震