教育福島0056号(1980年(S55)11月)-030page

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有意義だった合同野外活動

-いわき教育事務所-

 

交流校の児童・生徒・保護者、教職員三者からすばらしい行事だと評価された健常児と障害児との合同野外活動の例があるので紹介します。

 

一 交流例

 

(1) 県立平養護学校(長谷川カノ校長)初等部児童といわき市立好間第二小学校(色川瑛校長)四年生 七月十七日 郡山少年自然の家日帰り

(2) 同養護学校中学部生徒といわき市立赤井中学校(岩村怜校長)二年生 九月四日〜五日、県海浜青年の家 一泊二日

 

二 成果(以下中学を例とする)

 

(1) 平養護学校中学部生徒の反応

1)大変楽しかった。(りくつぬき、軽度の生徒)

2)可愛がられ、親切にしてもらい嬉しかった。(筋萎縮症など重度の生徒)

3)健常児と比較し、自己嫌悪感を持った。(ごく少数の、頭のすぐれた内向的な生徒)

(2) 同校担当の先生

1)今後も是非お願いしたい。

2)ただ相手校に迷惑をかけるのが苦。

3)前出(1)の3)の生徒には、そこをのりこえさせなければならない。

4)この行事に予算がついているのが何よりありがたい。

(3) 赤井中学校生徒の感想の一部

1)「かわいそうに」と思う人がいると思います。いや、ほとんどの人がそう思うのではないでしょうか。実際にわたしも初めはそういう考え方でした。でも、この合同野外活動で知りました。ただ彼等は、体に不自由なところがあるだけで、本当は心の中でわたしたち健常児と同じことをしてみたい、いろいろな所へ行ってみたいと思っているのではないでしょうか。だから、何をするにも彼等の顔はいきいきとしていました。

2)私の班には広瀬幸子ちゃんがはいった。さっちゃんは足が悪く松葉づえかはってでなければ歩けない。だから、今度のキャンプでも、私と先生が一人はついていた。松葉づえだから速くは歩けずどんなときでも一番最後に行った。…(略)…今考えてみれば本当に弱い私だった。さっちゃんなら最後まで自分の力でやりぬいただろう。養護学校の人たちは、体の一部が不自由なだけであって、健常児以上の強い精神力を持っているように思う。

(4) 同校担当の先生

1)単純に考えていたが、実施してみると大変なものだ。いろいろと勉強になった。

2)笑っちゃいけない。傷つけちゃいけないと大変気をつかったが、本校の生徒たちは立派なものだ。「あんなにも明るく親切でいい子供だったのか」と自分の生徒たちのよさを発見したおもいだ。

(5) 両校の保護者の声

1)とてもよいことだと思います。これからも、こういう機会を多くして理解を深められるようにしていってほしい。

2)障害をのりこえていく子の必死の姿をみて、わが子も自分を見つめ、深く反省しているようだ。全く得がたい経験をさせていただいたものだと感謝しております。

 

三 成功の原因

 

(1) 両校教職員の情熱・献身的な協力のたび重なる会合の結果生まれた綿密な計画

(2) たび重なる会合の結果生まれた綿密な計画

(3) 十分な事前の交流

1)両校親睦会 四月十六日

2)ゲームと会食 五月十六日

3)いも煮会 七月十四日

(これが養護学校の生徒に人気があった。)

 

みんなでパチリ

みんなでパチリ

 

 

 


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