教育福島0056号(1980年(S55)11月)-032page

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教育センターから

 

中学校高等学校LL講座の紹介

 

一 はじめに

 

外国語科における新学習指導要領の基本方針の一つに「外国語を理解したり、表現したりする言語活動の基礎を養うことを一層重視し、特に表現力の育成に配慮する」と述べていますが、ともすると外国語科指導の中で「読むこと」「書くこと」に重点がおかれ、「聞くこと・話すこと」の言語活動がおろそかにされてきたことが反省されます。科学技術の進歩にともない、世界はますます狭くなってきており、その結果、世界の文化的・経済的・政治的交流の必要性が高まり、いよいよ人間相互のコミュニケーションが必要とされてきています。こうした時点に立つとき、世界の共通語ともいうべき英語学習が読み、書きに終わりがちであった学習から音声面を重視した聞く・話すことに一層重点をおく学習に変わってくる必要がありましょう。すなわち、新しい英語学習は、生きて働く言語を身につけようとする学習でなければならないと考えられます。そうした意味において、中・高LL講座は、マン・マシーンシステムによる効果的英語学習の在り方に大きな意味をもつものと言える。

 

二 講座とその内容

 

本講座は、中学校・高等学校英語担当教員各十名の計二十名で編成されLL設置と運営上の諸問題についての協議・LL演習・LL機器操作・LL教材及びOHP教材作製など実習・演習による作業、更に、中央講師によるLL及び教育機器活用に関する基礎的専門的、実践的講義、また、各自、各グループで作製した作品発表と内容は多彩であり、極めて有意義な講座と評価される。(日程等下表参照)

(一) LL設置及び運営上の問題

ここでは、それを放出された諸問題を協議するが、本年は主に次のようなことが話題になった。

(1) 教育近代設備等の充実の一貫として、文部省予算にLL設置費が計上されたことは有難いことである。

(2) 保守管理及び教材整備に、予想外の多くの費用がかかる。

(3) 現有のLL及び機器が旧式化してきている。

(4) 市販の教材もあるが生徒の実態にそぐわないものが多い。

(5) 教科書準拠のLL教材がなく、それを作るとすれば、それにともなう多くの困難点がある。

(6) 授業時数、大学入試などの関係で授業の中での使用は難しいので、必修グラブや放課後の自主学習に使わせている。

(7) 週三時間の授業の中で、どうLLを活用すべきか。

その他多くの問題が出されたが、実践校の先生がたや助言者から教師の姿勢の重要さが強調され、更に、言語学習の本質を踏まえて、真剣に取り組む必要性についてのアドバイスがなされた。

 

 

 

 

 


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