教育福島0056号(1980年(S55)11月)-038page

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まちからむらからこんにちは

 

ボランティア活動を通して

矢吹町教育委員会

 

ボランティアの推進を始めて三年目を迎え、活動も活発になり、意義も浸透し前向きの姿勢で活動しています。

昔の奉仕精神とは異なり、勉強しながらの活動なのでむずかしい面もあります。一人一人が信念を持つこと、実行に移す勇気が必要なこと、それなりにつきまとう時間と余裕の問題、それまでしなくてもとの反対の言葉などを乗り越えて活動を推めています。

母子読書活動では、七月十六日見学バスをしたて、冷たい雨の中を川内村天山文庫で行われている詩人草野心平氏の天山祭りに参加しました。七月二十日には、役場大会議室で常葉女子短期大石川純一郎先生の講演会を開催しました。グリム童話をわかりやすく話され、また、日本の民話についても心理描写や単なる説明ではないことを聞くにつれ母親は、現代の子供へメルヘンをもっともっと伝える努力をしなければならないと思いました。読書グループは、毎週月曜日に中央公民館で子供たちの帰る時間を利用し、童話の読み聞かせをしたり、更に、手造りの絵本をみんなで考えてつくりましょうと会長の星里美さんは、一生懸命取り組み一冊の本をつくりました。今年は絵本「蛙の恩がえし」を創作すると頑張ってます。

また、婦人会は、三地区に分かれていますが、それぞれ地域に合った活動を雄めています。矢吹地区の場合、昨年度、今の子供たちは文化が進み、手先の仕事がなくなり運動もにぶるのでボランティアグループが相談し、みんなでお手玉を造りました。幼稚園や保育所、公民館、小学校に五十個から百個ほどさし上げたところ大変喜ばれました。お手玉の歌を知っているかたがたの指導を得て一冊の本にまとめ、お母さんや先生などに配布しました。

今年は町に寝たきり老人がたくさんおりますので、リサイクルもかねてナイロンの風呂敷でカーネーションを造り配ろうと張り切っています。三神地区では、運動会に老人を招待し、子供と一緒に楽しい一日を過すことを毎年実行し、部落から大変喜ばれており、中畑地区では、老人と婦人の集いを持ち嫁と姑の問題を取り上げ話し合い、その後会員の歌や踊りで老人をいたわりそれぞれの活動を進めています。

地域の若者たちが民話の収録グループを作り、おばあさんから昔話を聞き出して幾日もかかり一冊の本にまとめあげました。三歳児の母親教育学級で毎月一回母親が勉強している間、婦人ボランティア会員の藤田順子、北村友子、渡辺郁子、須藤和子、佐藤晃子、大木静のみなさんに川村茂子のメンバーが、一人の子守りも容易でない今、二十八人の三歳児を二時間気を配り、本を読み聞かせ、かけて行く子供の後をついて行き、いたずらっ子もおすましやさんも、家庭の環境の異なる子供たちの名前をよぶと、可愛いいつぶらな瞳で返事します。この子供たちが、やがて世代を担っていくのだと思うと、いじらしい限りで一緒にかけまわったりしました。

 

保育活動の一コマ

保育活動の一コマ

 

教育委員会の図らいで年一回見学研修バスが運行されます。私たちは身近な問題をみつめるために、太陽の国の実態を見ましたが、子供たちの姿を見るにつけ心の中で声を立て泣きさけばずにはいられない衝撃を受けました。また、老人の姿を現実にみて来て、今後の私たちのなすべきことを考えていかなければならないと思いました。

県の日赤血液センターを見学した折りには血液がいかに必要かを痛感し、一人でも多くが献血に協力してくれるよう運動しました。ある時などは、採血に協力しようと思っていると、健康

 

 

 


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