教育福島0057号(1980年(S55)12月)-012page

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センターたるべく事業を県内全域に展開した。

特に、本年は開館十周年に当たり、記念事業が大々的に実施された。中でも、本県の誇る江戸洋風画の大家の初めての本格的な作品展となった「亜欧堂田善展」は、全館あげて取り組んだ結果、充実した内容となり県内外から高い評価を受けた。また、文化会館ではウィーン少年合唱団公演が開催され文字どおり満員の盛況であった。

このほか、昭和四十八年度から実施している少年劇場は、今年度初めて県内全部開催となったほか、県民参加による舞台発表事業、講演会、講習会等も県内各地で実施し、“動く文化センター”としてその機能を発揮した。

さて、昭和五十四年度の利用状況であるが、年間利用人数については三十二万五千百七人と昭和五十一年度をピークとしてわずかずつ減少の傾向をみせているが、大・小ホールをはじめとした各施設の利用件数においては昭和五十二年度と比較し(昭和五十三年度は五か月休館のため比較にならない)九パーセントの増となっている。

本年度の傾向としては、特に美術展が目白押しで、文化センター自主事業の亜欧堂田善展、院展のほか、地元報道機関の主催による日展、大山忠作展シャガール展などが開催され施設の利用の面でも大きな盛り上がりを見せている。

なお、施設、設備の整備にも力を入れることとし、今年度から音響設備の改善(四か年計画)及び庭園整備(前庭にブロンズ像を設置などの六か年計画)に着手した。

 

県立文化施設の整備

 

一 県立美術館

県立文化施設の整備事業は二年目に入り、文化課文化施設整備室として十名のスタッフで取り組んでいる。

県立美術館建設基本構想は、本年一月に作成報告された。報告書は、近代以降を主とし古美術も扱う美術館とすること、展示は常設展・企画展とし、貸館は行わないこと、規模は八千五百立方メートル、作品収集は有名作家の一点豪華主義の収集をせず、複数作家の複数作品を基本に集め拡大すること等から成っている。この報告をうけて次のメンバーから成る収集評価委員会を設置した。

三木多聞 東京国立近代美術館

嘉門安雄 ブリヂストン美術館

大島清次 栃木県立美術館

桑原住雄 筑波大学

細野正信 東京国立博物館

黒江光彦 美術評論家

佐藤光 本県教育長

この委員会で、県ゆかりの作品、日本美術の流れを展望するにふさわしい

 

表8 昭和五十五年度福島県文化センター事業

 

表8 昭和五十五年度福島県文化センター事業

 

 

 


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