教育福島0057号(1980年(S55)12月)-013page
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |
作品、海外の優れた作品を柱に収集する方針が定められ、現在美術品等取得基金による収集が進められている。
一方受贈による収集では、三月に会津出身の国際的版画家斎藤清氏から、主要作品二百八十四点、九月には県美術家協会長の山川忠義氏から、日展特選作品を含む二十点の寄贈をうけた。
県立美術館、図書館の建設場所は、四月に福大経済学部跡地と決定され、福島の象徴信夫山の松の緑を背景に、六万五百平方メートルに及ぶ敷地に両施設が建設されることになった。この敷地利用計画は日大工学部によって、十月に報告書が提出されている。
二 県立図書館
本年一月に報告された基本構想は、いくつかの新機軸を打出している。
新しい図書館の基本的性格は、図書館のための図書館の役割りを担うべきであり、具体的には市町村立図書館が収集しにくい専門書、参考図書、郷土資料などを収蔵するとともに、市町村の図書館へ図書を貸与したり、利用者の調査相談にこたえるべきものであるとしている。したがって、資料保存センター、市町村立図書館をつなぐ相互協力センター、調査相談センター、移動図書館による奉仕の機能をそなえる一方、県民文化振興の立場から集会、展示、視聴覚教育など、多面的な運用の必要を指摘している。
規模は、現在の蔵書二十四万冊から将来は百万冊程度を収蔵可能なものとし、延べ床面積は九千五百平方メートルとしている。
県立図書館の敷地は美術館と同一であることから、両施設の配置、共用部門の位置、造園、駐車場、動線等をきめる敷地利用計画を、基本設計に先行して作成したわけである。
三 県立博物館
県立博物館の基本構想作成のため、次の委員を二月に委嘱し、三月十三日第一回基本構想検討委員会が開催された。
岡本茂弘 文化庁
栗原治夫 文化庁
材野博司 東北工業大学
島田桂一郎 埼玉県立博物館
浜田隆 東京国立博物館
岩崎敏夫 東北学院大学
梅宮茂 県考古学会長
菊地貴晴 福島大学
佐藤光 元県教育長
鈴木敬治 福島大学
高橋哲夫 県文化センター
誉田宏 県文化センター
委員会では、基礎資料、比較資料によって全国の趨勢、本県の概要を説明し、フリートーキングで全般的なイメージ作りを行った。第二回は五月十三日に開催し、目的、性格、機能、環境、規模構造、施設、組織人員の七項から成る骨子検討素材を提示して個別検討に入った。次いで他館視察(青森・秋田・群馬・埼玉)を実施した。
七月十八日の第三回委員会で骨子の検討を一応終了し、九月二十六日の第四回委員会では基本構想事務局素案及び常設展示試案を提示した。一日をかけたこの日の委員会で全般の検討が済み、十一月十二日に案文の文言修正を行うことになっている。正式報告は五十六年一月であるが、中間段階では内容は次のとおりである。
県立博物館の性格は、人文系を主とし、文化の背景にある自然も含める。
収集展示の対象は、歴史、考古、民俗、美術・工芸及びこれらと関係のある自然科学系の資料、展示は総合展示、部門展示、特別展示等、敷地は四万平方メートル、建物の延床面積は一万二千平方メートルとなっている。建設地については未定である。
四 今後の計画について
県立美術館、図書館の建設地は、国有財産であることから、福島大学、大蔵財務部、福島県、福島市の四者協議会を設置し、五十六年度中に払い下げをうけ、直ちに用地造成に入る予定である。美術館と図書館は一敷地であることから同時進行とし、基本設計は十一月委託、五十六年三月納品、実施設計は五十六年四月委託九月納品の予定である。建築工事は五十七、五十八年で五十九年開館の予定である。
博物館は五十六年建設全体計画、五十七年基本設計、五十八年実施設計、五十九、六十年建築工事、六十一年開館の予定である。
文化三施設建設事業の庁内調整を行うため、文化施設建設調整会議、同幹事会を設け、それぞれ副知事、教育次長が議長となり、事業の進展の各段階で調整に当たっている。
文化財の保護
表9 指定文化財件数
文化財指定状況 昭和55年3月31日現在 (単位:件)
![]()
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() |