教育福島0058号(1981年(S56)01月)-021page

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特選

 

プロジェクトチームによる学校教育目標具現化の試み

 

いわき市立小名浜第一中学校長 磯上昌弘

 

一 研究の趣旨

本校の今までの学校教育目標に対する考え方をふりかえってみると、

まず第一に、目標実現への手だてが抽象的で実践方法等に明確さを欠いていた。その上、計画−実践−評価というサイクルの中で、「計画段階」にち密さがみられなかった。

第二に、目標を職員一人一人が主体的に把握していないために、成果については期待薄であった。この問題点の一つに、目標設定までの方法が次のような手順であった。

 

その結果として、

 

その結果として、

○ 努力目標具現化の手だてが形式的になり、計量的・計数的に把握しにくかった。

○ 職員の実践への中心は、団体の中の個人という意識が強く、具現化の推進は特定の職員に限られていた。

○ 職員同士、積極的に努力しようとする姿勢がみられなかった。

そこで、職員が努力目標を主体的にとらえて実践を図るにはどうしたらよいか、また生徒一人一人に質的向上を目ざさせるにはどうしたらよいか、この課題を解決する過程を模索しようとこの研究主題を取り上げ、三か年計画で実践することにした。

 

二 研究の概要

(一) 研究主題の受けとめ方

本校の教育目標の具現化を図るには、まず職員一人一人のモラールの高揚があげられる。そのための手だてとして考えられたのがプロジェクトチームの組織・編成であった。

学校経営は、学校教育目標を達成するために職員一人一人が意欲と責任をもって取り組み、それぞれの組織の中で経営に参画するようにしなければならない。大規模校になると、ややもすると多人数の中に埋没し、やがては意欲喪失につながる場合も多い。企画・運営・評価を職員の主体的な取り組みによってはじめて意欲的な実践が可能になるものと考える。一人一人が一つの委員会の責任ある委員として自覚と責任をもち、問題をみんなで考え、みんなで実行するとき、生徒を動かす生き生きとした教育活動が展開されるものと思われる。個性からにじみ出る創意、主体的な取り組みを十の委員会(プロジェクトチーム)に求め、しいては学校全体を動かす力となってあらわれてくることを期待したのである。

目標具現化の構想は、資料1のとおりである。

 

資料1 教育目標−努力目標

 

(二) 研究の視点

 

(二) 研究の視点

十の小委員会の計画−実践−評価のサイクルを通して努力目標の具現化を図る。

(三) 研究の方法

1) まず、努力目標設定の手順を次のようにした。

 

 

 

 

 


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