教育福島0058号(1981年(S56)01月)-033page

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成人の日におくる一冊の本

 

県立図書館館外奉仕課長 赤座信道

 

図書館コーナー

 

図書館コーナー

 

大人の仲間入りをされる若人の中には、まだ在学中のかたもあり、また既に社会の一員として立派に活躍されているかたもおられることでしょう。激しく揺れ動いている現代社会の中で、将来の明るい豊かな日本を築きあげる若人の皆さんにぜひ読んでいただきたい本を、全国の読書施設関係者がリストアップしたものの中から、生き方、文章の書き方等のエッセイを紹介します。

 

「大人になるとき読む本」<藤本義一 青春出版社 九八〇円>

娘よ、魅きつける女性になってほしい。男の目で、父から娘に書き送った切々の願い−恋をしたらこれだけは知っておいてほしい等々。

 

「知的人生の生き方」<渡部昇一・大岡信他 講談社 一、〇〇〇円>

これからの人生を、どう生きるか。知的に人生を生きぬくとは…名界七人の権威が示唆する新しい時代の"生きがい"論。

 

「考えること・生きること−日常生活の哲学−」<小原信 日本放送出版協会 九八〇円NHKブックス>

若者たちをめぐる知的環境の急激な変貌のなかで、青少年の生き方、考え方の問いに応える哲学者のエッセイ。

 

「心の危機をみつめて」<平井富雄 筑摩書房 八〇〇円 ちくまぶっくす>

心の危機に陥る人が増えている。精神科の臨床に豊かな経験をもつ著者が産業社会の中でなにが心のバランスを失わせるのかを探る。

 

「読書と私」<井上靖他 文芸春秋 三〇〇円 文春文庫>

芥川・直木賞受賞作家二十九人が、自分の人生体験に基づいて、新たに書き下した読書についての珠玉エッセイ。

 

「女性人材論」<天野正子・神田道子 有斐閣 一、〇〇〇円 有斐閣選書>

女性のいまだ開発されざる能力、特に職業的能力に焦点を合わせて、女性と職業との関係をさまざまな角度からとらえなおしたもの。

 

「日本人とは何か−民族の起源を求めて−」<江上波夫・梅原猛他 小学館 一、二〇〇円>

白熱のシンポジウム全記録。裸の目で古代を見つめ直すことから、民族の特質を明らかにする国際日本人論。

 

「文章作法」<桑原武夫 潮出版社 九八〇円>

「人さまに迷惑をかけない」「相手を説得する」「知的遊びがある」「本質をとらえる」など、著者の文章観をやさしく親切に説いている。

 

「何を書くか、どう書くか」<板坂元 光文社 五八〇円 カッパブックス>

文章を書く能力が、あなたの明日を決める。実用文の知恵をアドバイスするユニークな文章読本である。

 

「すぐ役立つ説得の技術」<藤田栄一 実業之日本社 六八〇円 実用新書>

ありあまる情報と、知恵を無駄なく活用して、相手を説得する最上の「方法」と「技術」とは何かを実践向きに平易に解説する。

 

「遠雷」<立松和平 河出書房新社 一、二〇〇円>

押し寄せる都市化の波打際で、時代に抗して大地に生きる青年の、土着の闇と現代の空白に突き立てる奔放な生命のほとばしりを描く。

 

「冬つらぬきて」<楢信子 冬樹社 一、二〇〇円>

ほんとうの愛と自立を求めて、昭和の時代をただひたすらに生きぬく女性を描く「ある女性史」とでもいえるような重く鋭い作品である。

 

「遠くまで見える道」<三木卓 毎日新聞社 一、一〇〇円>

詩人であり作家である著者の、みずみずしい感性にあふれた随想集。「あるく」「昨日のこと今日のこと」「人」

 

「止まらない汽車」<加藤登紀子 文化出版局 一、三〇〇円>

歌をもとめて、走り続けてきた著者が、自らのスピリットを語る初の音楽的エッセイ集。

 

 

 


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