教育福島0059号(1981年(S56)02月)-009page

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幼稚園教育

 

人間形成における幼児期の教育の重要性に対する理解が深まり、幼稚園教育に対する社会の関心や期待は非常に高まってきている。こうした情勢のもとで、幼稚園教育を充実発展させていくことは、今日の大きな課題である。

そのため次の諸点に配慮し、教育効果を高めるよう努力する必要がある。

 

一 幼児の心身の発達の程度や幼稚園の実情などを的確に把握し、適正な教育課程を編成する

(一) 園のもつ課題をふまえて教育目標を設定し、どのように幼児の姿にあらわされるか、また、どのような場でどのように指導することにより幼児の身につくかなど、全教師が共通理解を図り、教育目標の具現化に努め、適正な教育課程を編成する。

(二) 幼稚園教育要領の内容を正しく理解するとともに、幼稚園教育指導書を十分理解して編成に当たる。

(三) 指導計画には、年度の努力目標を十分反映させ、ねらいの具体化と長期・短期それぞれの特色を生かした計画を作成する。

(四) 幼児の興味や関心、年齢や心身の発達の程度・時期などを十分考慮して、最も望ましい経験や活動を選択・配列するよう留意する。

(五) 指導の反省・評価を適切に行い、指導計画の改善に生かすよう努める。

 

二 幼稚園教育の特質を生かした指導法について研究する

(一) 個々の幼児の発達の実情を理解し一人一人を生かす指導に努める。

(二) 幼児の生活経験に即し、具体的・総合的な指導を行うようにする。

(三) 毎日継続的に行うものとその日あるいはある期間継続するものなどねらいの質、活動の質と量を生かした指導過程をたてるようにする。

(四) 幼児が自主的に取り組めるように幼児の興味や欲求を生かした環境構成を工夫する。

(五) 具体的な目標を設定するとともに評価の観点を明確にし、指導過程や結果等について適切な評価を行う。

 

三 指導の反省・評価を適切に行い指導計画の改善に生かすように努める

(一) 遊具の種類・数量・その質などが幼児の成長・発達にどんな意義(社会性を養う、自主性・創造性を促すなど)があるかを検討し、計画的に遊具・教材・教具を整備する。

(二) 常に施設設備の安全点検をし、潜在危険の発見と除去に努めるなど安全管理に万全を期する。

 

四 家庭や小学校との連絡を密にし、一貫した幼稚園教育を進める

(一) 保育参観・家庭訪問などの機会をとらえて、園及び家庭生活の様子などについて話し合い、幼児の理解を深め、協力し合って教育の効果をあげる。

(二) 幼稚園と小学校相互の授業参観の機会を設けて、幼・小の共通理解を図り適切な指導を進めていく。

 

五 研修体制を確立し、研修内容の充実に努める

(一) 保育活動を互いに参観し合い、観察方法及び基礎的な技術を高める。

(二) 各幼稚園における問題を明確にしそれを解決するための手順や方法を明らかにして、園内研修を効果的に進める。

(三) 研究の結果については、常に評価し、その要点を記録・累積して、一貫性のある研究に努める。

(四) 地域における研究組織を確立し、具体的な計画に従って、組織的な研究を推進する。

 

小・中学校

 

昭和五十六年度は、小学校においては、新教育課程実施二年目、中学校においてはその初年度に当たる。

小学校においては、昨年度における実施状況をつぶさに検討し、教育課程の基準改善の基本方針、学習指導要領改訂の方針、学習指導要領各章に示されている目標・内容等、新しい教育課程に関する基本に立ちもどり、基本的な考え方・ねらい・内容・方法などについて検討し、改善策を講じることが必要である。

このことは、教育課程編成時における全体的検討の際はもちろんのこと、日常における諸教育活動を展開する際も考えなければならない。

中学校においては、これまでの教育活動の見直し、移行期間における試行の成果や反省をふまえ、学校・児童生徒及び地域の実態に即した教育課程の編成が行われているが、実施過程においても、小学校同様、常に基本に立ちかえって、望ましい方向に進んでいるか否かを確かめながら実践することが大切である。

新教育課程実施とからみ、小中学校共通に配慮しなければならない事項として、次の三点を特に強調したい。

1 新教育課程の実施を契機として、学校教育が現代の社会状況に対処して新教育課程のねらう教育を進めるためには、教育の質的転換を図る必要があり、その意味でも本年度は重要な時期である。

教育の質的転換を図るうえで、最

 

 

 


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