教育福島0059号(1981年(S56)02月)-010page
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も重要なことは、教師自身の意識の変革である。学校のおかれている立場、児童生徒や社会の現状等の認識と、教育課程の基準改善の趣旨の理解をもとに、自己変革を図るよう努めることが大切である。
2 特に学習指導については、指導内容を基礎的・基本的事項にしぼり、ゆとりをもって学習できるようにし知識のみでなく、能力や態度の育成を図り、個性や能力に応じた指導となるよう努めることが大切である。
「ゆとり・充実」は授業の中でこそ実現しなければならない。
3 生徒指導上の問題が多発している現状にかんがみ、道徳教育の充実を図るとともに、生徒指導の機能について再確認し、日常における生徒指導の充実を図ることが急務である。
高等学校
高校進学率の上昇に伴い、生徒の能力・適性・進路・興味・関心等の多様化には著しいものがある。
各学校においては、国民的教育機関としての高校教育のあり方について全教職員の共通理解を図りながら、人間の一生を通じた学習の基礎を培うものとしての高校教育の役割を十分認識し適切な教育課程を編成し実施することが必要である。そのためには、それぞれの地域や生徒の実態を的確に把握して、それに基づいた特色あるものを創意工夫し、その中で基礎的・基本的な内容の習熟と、生徒の能力や適性に応じた適切な内容の指導を進めることが期待される。
また、現在の生徒の能力・適性等の多様化に十分配慮して、いきとどいた学習指導を展開するためには、教育の実践の場における指導方法の改善と教師自身の指導力の向上をめざした日常の積極的な実践的研修が期待される。
更に、教科以外の教育活動面の充実・改善を図るとともに、教師と生徒との人間的ふれ合いに基づく生徒理解を進め、望ましい人間育成を図るための生徒指導と、将来において自己を正しく生かすことをめざした進路指導の一層の充実・強化に努力し、一人一人を生かす教育の推進に徹することが必要である。
養護教育
養護学校教育義務制実施三年目を迎え、養護教育の指導の一層の充実を図るとともに、国際障害者年にかんがみ、その趣旨をふまえ、次の点について努力する必要がある。
1 適正な就学指導の徹底
2 障害の種別・程度に応じた指導方法の開発
3 積極的に社会に参加していく態度の育成
4 養護教育諸学校(特殊学級)と、幼稚園、小学校、中学校、高等学校の児童生徒等との交流の促進
5 家庭、児童福祉施設及び医療機関との連携強化
以上についてその具現化を図り、各学校、学級が障害をもつ児童生徒にとって充実した生活の場となり、社会一般の信頼と期待にこたえられるよう努力する心要がある。
また、この教育を進めるに当たっては、健常児と共通する一般性を基礎とし、障害児の特性を十分に考慮しなければならない。
したがって、新学習指導要領と移行措置についての研究を深め、新学習指導要領の趣旨を十分に生かすとともに小・中・高等学校における各教科・領域等の重点を吟味した上で、次にあげる重点事項との調和を図り・養護教育の充実振興に努力することが望まれる。
一 適正な就学指導を推進する
(一) すべての小・中学校に、心身障害児の就学指導組織(仮称=就学指導委員会)を設置するとともに、その組織を校務分掌上に正しく位置づけ全職員が協力して適正な就学指導が積極的に進められるよう努力する。
(二) 校内就学指導組織と、市町村就学指導審議会、県就学指導会議、その他の関係機関を有機的に関連づけ、適正な就学指導を進める。
(三) 心身障害児の指導方法、調査・検査・診断の技術の向上を図るため、全教員(小・中学校では特殊学級担任以外の教員を含め)による研修を充実する。
(四) 心身障害児童生徒の就学指導に関しては、保護者と十分に情報を交換し、適切な教育措置を講ずるよう努める。
(五) 学校、学級への就学後も、常にその教育効果を観察評価し、他の学校学級への就学が望ましいと判断された場合には、慎重かつ適正な教育措置替えを行う。
二 盲、聾、養護学校、特殊学級の実態に即した運営を工夫する
(一) 教育目標の具体化、実践化のための適切な運営計画をたて、全職員が共通理解に立ち、効果的な養護教育が進められるよう学校運営に努める。
なお、特殊学級にあっては、学級編制の方針を明確にし、学校経営の中に正しく位置づけ、適切な運営に努める。
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