教育福島0059号(1981年(S56)02月)-018page

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て、見方・考え方が漸次育成されるようにする。

(四) 集合や論理的な見方・考え方についても必要に応じて適切に取り扱うようにする。

なお、一学年の図形の指導に際しては、直観的な取り扱いを中心として、操作的な活動を取り入れるなど小学校との関連を図るよう留意する。

 

三 基礎的な知識の習得や技能の習熟と「数学的な考え方」の育成との調和を図る

(一) 基礎的な知識の習得や技能の習熟に当たっては、過程を大切にしながら、繰り返し指導し、定着を図るようにする。

特に、計算、作図、実例、分類整理などの活動を重視する。

(二) 既存の経験や知識、技能を、新しく学習しようとするものに適用、発展させることができるよう、関連的な取り扱いに努める。

(三) 数学的な推論では、特に演えき的な推論の方法の理解とその活用に重点をおいて指導し、論理的に考える態度を身につけさせるようにする。

 

四 学習指導の改善を図り、学習意欲を高めるとともに、学習を一層効果的にする

(一) 個人思考や集団思考を配慮しながら、生徒が自力で問題を解決する喜びを味わうことができるような学習指導を工夫する。

(二) 生徒の学力の段階に応じた学習目標を設定し、生徒自身が学習の成果を知ることにより、積極的、意欲的に取り組むことができるような学習指導法を工夫する。

(三) 教育機器の活用、資料の提示等を工夫し、更に、個に即した適切な指導助言をすることにより、数学に対する興味、関心を高める。

(四) 教材研究を深めるとともに、教科書を効果的に活用し、指導の効果をあげる。

 

高等学校

 

昨年度から実施された移行措置の趣旨をふまえ、小・中・高を通じた一貫した算数・数学教育の実現を目指し、基礎的な知識、技能の習得を図り、数学的な考え方や処理のしかたを育成するために、次の事項に留意する必要がある。

 

一 生徒の実態に即した指導体系と指導計画を作り上げる

(一) 生徒の学習の過程を重視し、学習したことが他の場面に転移できるよう、抽象化や一般化の能力の育成を考慮した指導計画を作成する。

(二) 各学年にわたって繰り返し発展的に指導を積み重ね、学習効果をあげていく教材と、まとめて集中的に指導して学習効果をあげる教材の、指導上の区分を明らかにして、指導体系の効果的構成を図るようにする。

 

二 実態に即した科目、教科書等の選択に配慮する

(一) 生徒の能力・適性・進路に見合った科目を履修させ、ゆとりのある効果的な学習をさせるようにする。

(二) 適切な教科書を採択し、指導内容の重点化、教材の精選を図るなど、その使用法を十分研究する。

 

三 学習指導の改善を図り、学習意欲を高めるとともに、学習が一層効果的に行われるようにする

(一) 生徒個々の学力に応じて、目標達成の度合いが段階ごとに把握できるよう、きめこまかな評価の方法を考える。

(二) 発見的、創造的に学が態度を育てるとともに、自ら学ぶ方法を身につけさせる。

(三) 数学に適した教育機器を利用して数学に対する興味・関心を高め、作業や視覚を通した学習法を取り入れることにより指導の効果をあげる。

(四) テストや課題の内容は、授業との関連を密にし、その与え方を工夫するなど、指導の効果を一層高めるようにする。

 

四 基礎学力の定着を図り「数学的な考え方」の育成に努める

(一) 基礎的な知識の理解と技能の習熟を図って、これらが問題解決に生かされるようにする。

(二) 問題解決に際しては、多様な手法を用いてこれに当たり、それぞれの方法の良さ、特徴を認識させ、学習内容の深化を図る。

(三)次数を下げたり、文字の数を減らしたり、観点を変えて単純化したりするなど、より基本的な事項に還元して、問題を解決する仕方を理解させる。

(四) 次元に関係なく成り立つ性質を発見させたり、より高い立場から見直すことにより、いくつかの領域の事項を関連づけ、体系化し、まとめていく手法を理解させることにより、教学の方法の良さを知らせる。

(五) 論理的思考に関し、演えきとともに帰納・類推の方法も理解させて、特殊から一般へ、一般から特殊への数学的な手法を身につけさせる。

(六) 数学史や学問における背景などに触れ、教材に対する関心を深める。

 

五、指導の内容・方法について中学校数学との関連を密接にする

 

 

 


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