教育福島0061号(1981年(S56)06月)-030page

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教育センターから

 

昭和56年度

 

研究・研修事業の概要

 

はじめに

 

福島県教育センターは、福島県の教育の振興と充実に寄与する目的から、大別して、研修・研究及び奉仕に関する三事業を行っている。なかでも教育関係職員の研修と、教育に関する専門的・技術的事項の調査研究の二つの事業は、当教育センターが行う各事業の中核をなすものである。本号では、教育センター五十六年度の研究・研修の概要について紹介し、福島県教育センターに対する理解を一層深めていただくための一助としたい。

まず、研究事業は、本県がかかえる教育上の課題や、学校の教育実践上の諸問題を全県的に把握し、これを専門的・技術的に解明していこうとする事業である。プロジェクトチームを編成しての共同研究、更には個人研究により研究を推進し、その成果を学校経営はじめ、教育諸活動の指導の実際に役立てることを意図した研究活動である。

次に、研修事業は、当教育センターが開催する各種講座に県下の教職員が参加し、一人一人が持つ指導実践上の諸問題や、教育現場の共通の課題について、理論・技術の両面から、その解決に迫ることをめざすとともに、研修の過程を通して、教師の専門的資質能力の向上を期待するものである。教育における専門職としての識見・知識・技能の充実と向上をめざし、各講座とも質の高い研修を行うよう努めている。

 

一 研究事業について

 

教育センターに課された研究機関としての役割りと使命を達成するため、当教育センターは、広く全国的な視野にたって、教育の動向を見守り、本県にとって必要と判断される長期的課題及び当面の課題を求めて、これを重点的に整理し、年次並びに年度の研究推進計画によって研究をすすめている。

この研究の成果は、直接各種研修講座の内容に反映されるほか、当教育センターの所報・紀要・報告書・研究資料として刊行され、更に充実した指導の実際に活かされるよう計画されている。五十六年度に当教育センターが取り組む研究課題及び内容のあらましは次のとおりである。

 

(一) 教育課程の経営に関する研究

 

学校経営改善に関する研究の一環として、本年度より「教育課程の経営」について研究する。教育課程の経営は学校経営の中核に位置つけられ、すべての経営活動が目覚的にそれに向けて焦点づけられる最も重要な意義を持つ教育の営みである。更に、小・中学校における教育課程経営上の諸問題と課題を明らかにし、改善のための資料や手だてを提示することは、現在最も望まれていることでもあろう。

本年度より三か年の継続研究とし、昭和五十六年度(第一年次)は小学校を対象に研究をすすめ、昭和五+七年度(第二年次)は中学校、そして、昭和五十八年度(最終年次)はまとめ、という一連の計画のもとに研究を推進する。

○教育課程経営に関する調査(協力校を中心に問題点の集約)

○紀要「教育課程の経営に関する調査研究」1小学校1の刊行

 

(二) 学習指導の個別化に関する研究

昭和五十五年度から三か年の継続研究として、「学習指導の個別化に関する研究」に取り組んでいる。

昨年度は、一人一人の児童・生徒が持つ資質や能力を可能な限り伸張・発揮させることをねらいとし、一斉授業の中で、特別な施設・設備を使用せず効果的に個々に働きかける授業の方法を追求した。教科は小学校国語・算数を中心に行い、紀要第四十一号「個を認める研究」を成果として刊行した。

本年度は、小学校の研究協力校(協力委員)による実証授業を行い、小学校図画工作・体育における個別化の効果的指導法を究明し、紀要としてまとめる。

 

(三) 習熟度別学習指導に関する研究

昭和五十五年度からの二か年継続研究で、昨年度は、習熟度別学習を教育課程全般に及ぶ学習指導法の改善として体系的にとらえ、研究資料「習熟度別学習研究の手引き」を刊行した。

 

 

 


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