教育福島0061号(1981年(S56)06月)-031page

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本年度は、前年度の総論的な研究の上に立って、数学科、英語科を対象に研究協力員七名を委嘱し、研究の発展・深化を図る。特に、指導内容の組織化を図って、基礎的・基本的事項を把握し、習熟度に応じた到達目標を設定して、指導法の改善、評価のあり方について研究し、研究資料としてまとめる。

 

(四) 「現代社会「及び「理科1)・2)」に関する研究

高等学校の新教育課程において、新設された「現代社会」及び「理科1・亜」の年間指導計画、授業展開案、指導法等について研究し、研究資料「現代社会の研究」・「『理科1』指導の手引き」を刊行する。

 

(五) 福島県標準学力診断検査問題の研究

学習指導要領の改訂に伴い、従来作成・実施してきた当教育センターの標準学力診断検査問題を全面的に改訂するための継続研究である。

教育課程のねらいに沿った検査問題とすること、及び児童の学力を診断・把握し、学習指導の改善に真に役立つ検査問題とすることを目指している。

昭和五十五年度は、昭和五十四年度までに小学校四〜六学年の国語・社会・算数・理科の学力の実態を把握したものをまとめて、「福島県標準学力診断検査問題による学力分析報告書」を刊行した。更に、小学校(一〜三学年対象)の国語・算数の検査問題を作成した。

昭和五十六年度は、小学校(一〜三学年)の国語・算数の県内小学校児童の学力の実態を分析するとともに、小学校(一〜三学年)の社会・理科の検査問題作成の研究をすすめる。

 

(六) 教育相談に関する研究

昭和五十五年度に当教育センターが行った教育相談の延件数は千十四件でその約五十四パーセントが登校拒否に関する相談であった。毎年、主訴件数からみても最も多くを占めている。

登校拒否は、その形成要因、形成過程、子供の発達段階などによって、症状もさまざまで、ケースにより指導方針・指導段階、指導(治療)方法などが異なり、それぞれのタイプに応じたものでなければ治療効果は期待できないといわれている。

そこで本年度は、出現率からみた登校拒否の実態をとらえ、タイプ別指導(治療)のあり方を、事例をもとに研究し、解明を図りたいと考えている。

なお、研究の結果は、教育センター紀要「登校拒否タイプ別治療方法のあり方」にまとめ、関係各機関に配布する。

 

(七) 新教育課程の実施に関する研究

新教育課程の実施に伴い、各領域、分野等における指導法の開発を中軸として、教育課程実施上、留意・工夫すべき事項等について研究する。

・教科指導に関する研究社会科(小学校・中学校)理科(小学校・中学校・高等学校)体育科(小学校)保健体育科(中学校・高等学校)

・道徳教育に関する研究(小学校中学校)

なお、研究成果は紀要としてまとめ関係機関に配付する。

 

二 研修事業について

 

教育センターが行う研修講座は、第二次福島県長期総合教育計画(昭和五十三年三月)下の「教職員現職教育計画」の一環に組み込まれるものである。

この計画は、教育関係諸機関が実施している研修について、その体系化と効果的推進を図るために策定されたものであり、そのなかで当教育センターが担当するのは、学校経営・教科指導・道徳・特別活動(各教科以外の活動)・生徒指導・教育相談に関する研修である。

これらはすべて、教職員現職教育計画(福島県教育委員会・五十六年度版)のなかで、専門研修1のBとして位置づけられており、基本研修を基盤として、職責遂行上必要な専門的知識・技能等を重点的に習得し、基本研修の成果を発展・深化させることを目指す研修である。

 

(一) 研修計画について

教育センターの研修講座はすべて、一次・二次・共通の研修区分に分かれる。一次は教職経験年数十年未満の者

(当分の間は二十年未満も含む)を対象とし、基礎的内容を中心に研修する。二次は教職経験年数十年以上とし発展的内容を中心に研修し、共通は教職経験年数に制限をもたず、研修内容に幅を持つ講座としている。

福島県教育センター研修計画(昭和五十六年度版)による。研修区分で数える講座の総数は八十五、講座定員は二千二百六十一名に達する。

 

(二) 講座内容について

講座は、その特質に応じて、講義・協議・演習・実習・製作・実験等種々の形態が工夫され、研修者が主体的に研修に参加しうるよう運営される。なお、本年度は、新教育課程が中学校でも実施されるので、新教育課程の基本的な考え方、ねらい・内容・方法について検討するなど、講座本来の目的達成と併せた成果が得られるよう準備をすすめている。

また、講師及び助言者は、県の内外にわたって幅広く人選し、多彩な指導陣による講座内容の充実を図っている。

各講座の主たる内容、その他関係事項については、研修事業計画(小学校一・中学校・高等学校別)によって御理解いただきたい。

 

 

 


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