教育福島0061号(1981年(S56)06月)-034page
まちからむらからこんにちは
心のひろがりを育てる少年団活動
楢葉町教育委員会
一 はじめに
楢葉町は、合併二十五年目を迎える。旧衣戸竜田二村の合併来、激増する都市への人口流出によって過疎化が進み、後継者の確保さえ危ぶまれるに至り、若者にとって魅力ある町づくりをとさまざまな手だてが試みられた。
“豊かなふるさとづくり”を主眼とした農工一体の施策とともに、青少年の健全育成を柱とした社会教育の推進を図り、学校教育を含めた教育設備の整備も年次をおって進めている。
また、原子力発電所の誘致以来、町民個々の経済生活の伸長はめざましいものがある。
反面、近隣関係や家族関係が希薄になり、人対人の内面的な部分に貧困のかげりがきざしていることもいなめない。
二 当町における少年団体
(1) 地区子ども会 二十二単位
・総数 四百七十二名
・同数の単位育成会と同連絡協議会がある。
(2) スポーツ少年団
・総数 百三十六名
・剣道、ソフトボール、バレーボールを種目とし各々二分団
・育成会組織がある。
(3) ジュニアリーダーグループ
・総数 五十八名
・中学生・高校生有志で組織
(4)早起きみんなで遊ぼう会
・総数 九十六名
・二つの小学校区に組織
・青年ボランティアグループの指導で運営
三 子供会活動から
昭和二十年代後半に、たけの子のように誕生し、活発に活動した地区子供会も昭和三十年代をピークに低滞し、わずかに七つの単位が存続していた昭和五十年、少年の地域活動の振興を図るには、異年齢集団で、しかも、だれでも参加できる子供会の特性を活かすべきであるという意見をまとめ、残っていた子供会を中心に再編成に取り組んだ。
PTAへのはたらきかけ、地区代表者による研修会などを重ねて、まず、育成会の組織化につとめた。
現在、二十二地区の子供会と育成会が、自主的な運営の中で活動を行っている。
◇祭りへの参加
子供たちは祭りが好きである。どの子も祭りが近づくと晴ればれとした表情でその日を待っている。
各家庭での年中行事が簡素化されたせいもあろうが、子供会で参加する祭りが大変好評である。
当町には、大滝神社、竜田神社がぶり浜下り神事という伝統的な祭事が継承されているが、なかでも大滝神社の祭事は、地区民や子供会の参加に合わせて従来四月八日であった例祭を四月第二日曜日に変更して実施している。
前日から、子供たちが集まって飾りつけをした“たるみこし”をかつぎ、各地区からかけ声も元気よく祭りの列に加わってくる。
十キロ近い道のりを神人とともにねり歩きながら、伝統行事を体で覚えていく。力を合わせることを覚える。こんなところに大きな意義があると思う。
町民体育祭、文化祭、各地区で行われる夏祭り(盆踊り)などにも、必ず地区民と一緒に参加し活気の原動力となっているが、ある意味では一般成人
祭りに参加する子供会員