教育福島0061号(1981年(S56)06月)-035page

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に忘れかけていることを思い出させ発奮を促しているともいえる。

◇奉仕活動

子供集団が遊びの集団であるとすれば、子供会もその例外ではない。しかし、集団として行動するルールや社会性を身につけることも団体の大きなねらいとなり、各地区子供会とも奉仕活動が年間計画にあげられている。

自分たちが使う地区集会所や遊び場の清掃。道々の空かんひろいなど、子供の手でできることは限られているが小さな行為が一人一人の自覚を芽、ばえさせ育ててくれるだろう。欲をいえば育成会のはたらきかけがなくとも「自分たちの仕事」として取り組めるようになればと期待している。

夜まわりを定期的に実施している子供会もある。火の用心を呼びかけながら地区内を一周して約四十分。随行するお母さん方の体力増強にも一役かっている。

移動文庫で、親子揃って読書活動をすすめている子供会もある。

子供会は子供たちの地域活動のみならず、育成会員である大人の交流の場となり、成人教育の一端を担っているともいえよう。

 

四 青年たちの手をかりて

 

町には“ゆずりは”という青年のグループがある。

昭和五十一年町が県の指定をうけて実施した「ガキ大将教室事業」を継承して、更に、“早起きみんなで遊ぼう会”を組織し、二つの小学校区で毎日曜日の早朝、子供たちと遊びのひとときを過す。子供にとって、日常ふれ合う大人は家族、先生など限られているが、青年グループとの交流の中で子供たちは別の世界を見出すことができるのではないだろうか。

 

五 まとめ

 

子供会を代表として、わが町の少年による地域活動の一端を紹介したが中・高生によるジュニアリーダーグループの活動も、地味ではあるが社会に目を向けている面が評価される。

人間形成の基盤となる少年期への対応は難しい。学校、地域、家庭が相互理解を深め、一貫性のある指導をしなければ、活動の定着を図ることはできない。

さいわい、わが町では学校の先生がたの理解と協力に恵まれ何かにつけてお世話をいただいている。

しかし、団体活動は一定の枠にはめこんでしまう危険性も持ち合わせている。自由に、のびのびと個性が活かせる場所であるような心づいかも要求される。

このように熱心な活動の反面、非行の芽もあとをたたない。少年期の地域活動などの成果が、高校、青年、成人期へと個々の中で成熟していってほしいと今後への期待をかけているところである。 (公民館主任主査横田芙美子)

 

熱心な清掃活動

熱心な清掃活動

 

会員の自宅開放による読書会

会員の自宅開放による読書会

 

楽しい青年ボランティアとのひととき

楽しい青年ボランティアとのひととき

 

中学生も一緒に

中学生も一緒に

 

 

 


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