教育福島0061号(1981年(S56)06月)-037page

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知っておきたい教育法令

 

休日と休業日

 

一 休日

(一) 勤務を要しない日

労働基準法第三十五条第一項は「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。」と規定して、いわゆる週休制の原則を採用している。この「休日」とは、労働者が労務提供の義務を負わない日、つまり勤務を要しない旧のことであり設定方法について特に規制はなく、就業規則等で一定の曜日に特定している。

公立学校教職員の「休日」は、労働基準法の許容する範囲内で地方公共団体の条例・規則等で定められている。本県では、職員の勤務時間に関する条例第三条で、日曜日を勤務を要しない日としている。

ところで、勤務を要しない日として特定された日曜日に勤務した場合、他の曜日を休みとすることができるかが問題となる。このことについては、日曜日は勤務を要しない日と規定するも勤務条件の特殊性によりこの規定により難いときは、任命権者は人事委員会の承認を得て勤務を要しない日について別段の定をすることができるとされている。 (職員の勤務時間に関する条例第三条第三項参照。)

県教育委員会は、「勤務を要しない日(日曜日)の振替について」県人事委員会の承認を得て(昭和三十六年九月十三日)学校において、特別の必要があって日曜日を授業日とするため児童・生徒の指導及び管理上、教職員に対しその日曜日に勤務を命ずる必要がある場合は、教職員についてその日曜日を勤務日とし、この場合、当該学校教職員について、その日曜日に続く一週間内に一日の割合で日曜日以外の日をもって勤務を要しない日を設けることができることとなった。

(二) 条例上の休日

国民の祝日に関する法律に定める祝日は「休日」とされているが、これはこの法律から直接に出てきたものではなく、各地方公共団体の条例・規則等で、祝日を休日とする旨定めることにより、はじめて「休日」となる。本県では、職員の休日及び有給休暇に関する条例第二条で、国民の祝日に関する法律に規定する休日並びに一月二日、三日及び十二月二十九日から三十一日までの日を休日としている。この休日は、勤務を要しない日とは異なり本来勤務時間が割振られているけれども、特に勤務が命じられない限り勤務しなくてもよいという有利な勤務条件を条例で設定したものといえる。

この休日に勤務する場合を休日勤務というが、休日勤務は原則として命じないものとし、やむを得ず命ずる場合は時間外勤務の基準(本誌前号四十三ページ参照。)の要件をみたす必要がある。(福島県義務教育諸学校等の教育職員の給与等の特別措置に関する条例第七条第一項及び第二項参照。)

休日勤務は、本来勤務を要する日の勤務であるから代休を与える法令上の定はないが、文部省通達(昭46・7・9)で代休措置をすすめ、本県でも昭47・2・28付県教育長通知で、代休手続は、従来行われてきた「勤務を要しない日」の振替に準じた取扱とし、授業の繰替についても従来どおりの様式により行うことを示した。

二 休業日

休業日とは、学校において授業を行わない日である。 (学校教育法施行規則第四条第一項)これは、児童生徒の側からみた学校の休みであって、公務員法の系例ではなく、学校教育法の系列の規定といえよう。

公立学校の休業日は、1)国民の祝日に関する法律に規定する日、2)日曜日3)夏季・冬季・学年末等休業日、4)非常変災その他急迫の事情があるときの臨時の休業日である。(学校教育施行規則第四十七条及び四十八条、同施行令第三十条参照。)

休業日の変更については、祝日及び日曜日は「特別の必要がある場合」に認められている。特別の必要という以上それ相当の合理的な変更理由が存すべきである。教育委員会が定めた休業日の変更の可否については、その定め方による。

「休日」と「休業日」は、以上みてきたように、全く別の法条にその根拠を有し、法律的には相互に特別の関係はない。

一般的、原則的にいえば、祝日及び日曜日は、「休日」であるとともに、「休業日」であるが、夏休み・冬休み等は「休業日」であり「休日」ではないといえる。

 

 

 


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