教育福島0062号(1981年(S56)07月)-014page

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た。

5) 中・高連携によって生徒指導の効果をあげるためには、現在自校がかかえている問題を主体的に解決しようとする自らの姿勢が大切である。

(3) 今後の研究の進め方

船引高校

今年度の研究主題、副題に沿って、中学校訪問を中心に研究と実践を続けてきた。いろいろな問題点、反省点があったものの、相当の成果があがりつつある。次年度の研究も、特別なことをするのではなく、今年度の反省に基づいて中学校訪問を軸に、地域の中・高生徒指導協議会等の組織を通しての連携を更に深めていく。

1 基礎調査

関係中学校、高校の教師を対象に、教師の意識の変化を調査し、今後の連携のあり方に役立てる意味で、九月ごろ実施する。

2 中学校訪問

今年度の反省に基づき訪問を実施し、その評価を明らかにする。

3 組織を通しての連携

本校としての、連携を深める方策を研究する。

石川高校

1 自校でかかえている問題解決のための積極的な取り組み

○アンケート調査や、中学校訪問で得た期待にこたえるため、改善充実を図る。

2 高校から中学校への情報提供のしかたの検討

3 中・高連携による地域啓発の進め方の研究

○本校生及び中学生の保護者に対するアンケート調査

○中学校区ごとの保護者が参加する方部別懇談会を開催し、中学校との連携で地域ぐるみの生徒指導体制を確立する。

4 隣接高校間の連携のあり方の研究

 

以上、第一年次の研究、実践の取り組みと今後の課題について、その一端を略述したが、いずれにしても、高校に入学した生徒が学業不適応に陥ったり、問題行動に走ったりすることなく、中学校での指導を基盤に、個性や能力を更に伸ばし健全な成長を図るためには、中高一貫した指導体制の確立こそすべての高校が共通にかかえる今日的課題であると言える。

研究指定を機会に、全校を挙げてこれまでの指導を総点検し、学校や地域の実態に応じた着実な両高校の研究に、充実した成果を期待したいものである。

同時に、これら研究経過を参考にしながら、効果的な中学校との“対話”を進めることが各学校に望まれる。

 

本校の意識と実態をふまえての指導

−ホームルームにおける進路指導の充実−

 

一 県立浪江高校について

 

浪江高校は、一学年五学級計十五学級の女子高校である。生徒は純朴で協調性に富み、生活態度もほぼ良好と言えるが、反面、厳しく己を律する力やねばり強さや、苦しさに耐えぬく面が弱く、意欲的な生活を構築する士気が乏しい。保護者の職業は、農業約四〇%、会社員・公務員約二三%、その他である。高校進学は、希望者全入の状況にあり、学力及び目的意識にかなりの較差がみられ、電源開発地域としての都市化傾向と相まって、生徒指導上の問題も多岐に亘るようになってきている。

 

二 研究主題の設定

 

学校には、学習や生活に意欲的な生徒と一部の特別指導の対象となる生徒との間にあって「何もしない」生徒が多数存在する。ところが、これらの生徒に対する働きかけは少なく、問題がないという安心感から放置されている場合が多い。そこで、この点に着目し、改めて生徒の実態を調査し、特に「生徒の能力・適性・志望に即した進路指導」を通して、生徒に目的意識を持たせ、高校生活に生きがいを見出させることを目的に、標記の主題を設定した。

 

三 研究の組織と方針

 

研究は全職員で実践する体制をとったが、その中核として「生徒指導推進委員会」を組織した。委員会は生徒指導部三名、進路指導部・教務部・図書部・保健部各一名、各学年二名と教頭の計十四名で構成し、第二年次は、総務、調査統計、全体指導計画、個別指導計画、統計の仕事を分担し研究を進めた。

研究の基本方針は次の二つである。

○ 全体計画

ロングホームルームの進路指導の計画を見直し、三年間を通して計画的に指導を実践するとともに各種資料の収集に努め、家庭の意職の高揚を図る。

○ 個別指導

より多くの生徒と面談し、生徒一人一人に目的意識を持たせ、生きがいを見出させるとともに事例研究により、生徒指導の適切な手がかりをつかむ。

 

四 研究の概要

 

研究は、第一年次の調査結果の分析及びそれに基づいた指導の実践と、同時期における再度の調査による実践の検証と今後における指導のあり方を展望する方向で進めることにした。

 

(一) 実態調査とその分析

 

例年実施している「悩みの調査」を

 

 

 


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