教育福島0063号(1981年(S56)08月)-007page
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学校教育で、自然を保護することを目的とした自然保護教育が、系統立てて行われることが必要であり、同時に社会教育的アプローチも欠かせない。
例えばマスコミが、それぞれの特色を生かして適切な題材をとらえ、興味深く解説し、また、自然保護協会のような民間の保護グループを育成することが望まれる。
自然を知り、自然に開眼し、自然を楽しむためには、少年時代から始めることが、一番豊かな実りをもたらすと思う。特に福島県のように多様性に富む豊かな自然での自然接触の原体験は真に貴重なものであろう。
現在の学校教育では、社会的開眼を促すためのカリキュラムは、多く準備されているが、自然に対して開眼させるためのカリキュラムは従属的なものでしかない。郷土と密着した自然保護の問題などをテーマとして多く取り上げ、全体的に野外科学的な方法技術が確立されるべきである。
そして、二つの開眼が伴って、初めて厚みのある人間形成が可能になると思う。今や人間形成の原点にもどって自然保護教育を考え直すときでもある。
学問的には、生態学と社会科学との交差するところに関心の焦点を結ぶ必要がある。学際的調査研究が望まれるのである。
吾妻にヤエハクサンシャクナゲが美しく咲き、キビタキの森にキビタキが生息できるような環境つくりが大切であり、尾瀬などの自然文化財は、死守しなければならない。
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