教育福島0063号(1981年(S56)08月)-018page
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的にとらえる必要はない。
指導のねらいと教材の特質を十分に考慮して、発想の転換を図り、児童生徒をいきいきと活動させるという観点から創意工夫を図るべきである。
○学習形態を工夫する。
一時間の流れの中に、さまざまな学習形態を位置づける必要がある。
児童生徒の主体的学習態度を養うためには、毎時間、同一の学習形態に終始することなく、個別学習、グループ学習、一斉指導を適切に組織し、学習に変化を与え、意欲を喚起させることが大切である。。家庭学習との関連から検討する。
家庭学習の結果をどう授業に生かすかという観点から指導過程を工夫する必要がある。
家庭学習の内容が、予習を中心にしたものであれば、その発表が、即導入あるいは、展開ということにもなろう。
今後、家庭学習のあり方を指導過程とのかかわり合いから真剣に検討することが要求される。
○評価の機会と方法を検討する。
指導の過程は、評価の過程でもある。
教師は、たえず指導過程の中で「わかったかどうか」、「どのようなわかり方をしたか」、「どのような筋道で考えているか」という点から、確認していく必要がある。そのためには、
・どこで、なにを、どのようにして確認するのかを計画し、指導過程に位置づけることである。
・たしかめをするための対象となる児童生徒を、学力別にそれぞれの指導過程に位置づけておく。
2) 個人差に応じた指導
○児童生徒個々の生活環境、考え方、心の動き、能力差、学習のつまづきの原因などを十分に把握する。
○個別指導は、指導の過程において計画的に行うことが大切である。
・個人の能力に応じた目標を設定する。
・到達目標を一挙に実現させようとせず、能力に応じ二、三の下位目標を設定して齢く。
○集団指導とグループ指導との関連を十分考慮する。
・児童生徒の進度に応じた編成法なども考慮し、グループごとに順次指導する。
・グループのリーダーの養成に留意し児童生徒同士の人間関係をよりよいものにする。
○個人に応じて、学習のしかたを具体的に指導助言する。
3) 自主的、自発的な学習を促す指導
○学習の目標を理解させる。
児童生徒の学習活動が不活発であるということは、学習の目標や方法を理解していないか、その学習が切実なものとして受け取られていないことが多い。
学習目標を、わかり易くしかも興味を喚起する方法によって理解させることが大切である。
○学習に対する興味や関心を高める。
教材そのものについて十分に検討するとともに、特にその教材の導入のしかたについて創意工夫を図る必要がある。
本時のねらいとなる教材を、児童生徒が思わず引き込まれるような方法で導入して、新鮮な驚きと感動を与えることが何よりも大切である。
○学習のしかたを身につけさせる。
個人ごとに学習のしかたについて診断し、学習の計画のたてかた、すすめかた、たしかめかたの基本について具体的に指導する。
○成功感や成就感を持たせる。
他の児童生徒との比較にこだわらず一人一人が自分の学習成果について充実感が持てるよう内的報酬の実感を積み重ねていくよう配慮する。
4) 個人を生かす評価の工夫
児童生徒は、教師の評価や自己評価によって、自分のすぐれている点や劣っている点を的確に把握するとともに正しい学習のしかたや主体的な学習態度を身につけていく。
今後、特に自主的な学習を促す立場から、自己評価についての研究を進める必要がある。
○自己評価をさせる上での留意点
・児童生徒に、学習の目標とそれを達成するための手だてや見通しをはっきりと持たせる。
・一人一人に、そのめあてに迫るための学習(練習)計画を立てさせる。
・評価し易く、次の学習への意欲づけとなる評価尺度を工夫する。
・学習の過程において、自己評価が十分に行えるよう適切な場面と用具、資料等を準備しておく。
・自己評価と相互評価、教師が行う評価との有機的な関連を図る。
五 道徳教育
(一) 全体計画を生かした道徳教育の推進
1) 教育目標具現化の柱として
教育目標は一般に集約的表現をとっており、広い意味では道徳的価値を含んでいることが多い 各学校の全体計画作成に当たっては、教育目標が内包する価値を明確に分析して学校教育活動全体を通して目標具現の方策を定めることが重要である。
児童生徒は、教師のうしろ姿を見て学ぶといわれるが、日々の教師の指導姿勢が、全体計画作成の過程を熟知しその意義と役割を十分把握したものとなっていなければ、どんなに綿密な全体計画を立案しても生きたものとはならない。
道徳教育が学校の教育活動全体を通して推進しなければ実効ある指導とはならないことを次の観点から再確認をし、教育目標具現の中核としたい。
ア 児童生徒の道徳性は、毎日の具体的な生活の中で育てられる。
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