教育福島0063号(1981年(S56)08月)-024page
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りを持つ児童生徒を育成することは大切なことである。地域の伝統・生活・自然環境・素材等を生かした学校行事・創意の時間・教科指導等、地域に根ざした教育活動や体験的な教育実践を重視する。
また一方、新しい生活環境に身を置いたり、新しい事象に触れて行う活動体験は将来を生き抜く力や態度を育成するうえで重要であり、積極的に計画・運営を工夫する。
4 地域との連携を図る経営
地域の人々や児童生徒の実態を理解し、地域の教育的関心の啓発を図りながら、父母の協力が得られる経営を行う。
(二) 学校の特性を生かす教育課程の
編成
へき地・小規模校の課題として、
「経験領域の質・量両面の拡大」「自律性・社会性・積極性」「創造力・思考力・表現力」等の育成があげられる。全教育活動を通して自ら考え正しく判断し、積極的創造的に活動できる児童生徒の能力や態度を育てることを目指し、筋道を明らかにして教育課程が編成されなければならない。
1 教育課題を明確にするとともに、学校教育目標の具現化のための全教育活動における構想を明確にする。
2 各領域の計画立案に当たっては、領域相互の関連を図るとともに、学級の編成や児童生徒の数、今後の推移、能力差等を考慮し、合同授業や集合指導も含め、指導計画の型を吟味して計画する。
3 指導内容については、基礎的、基本的事項を明らかにして指導の重点を押えるとともに、地域の素材の教材化に努める。
4 週時数、一日の時程等、季節等の実情に応ずるよう年間を見通して計画する。
5 学校生活に変化と充実を与える創意の時間の活動や行事を地域・学校の特性を生かして計画する。
(三) ゆとりある充実した学習指導の
展開
学習指導の展開に当たっては、教師と児童生徒との触れ合いの緊密さを生かし、全教師が個々の児童生徒の理解とたがいの連携のうえに進められることが大切である。
1 教科の指導
(1) 学習が意欲的・主体的に進められるよう指導過程を組織し、目標・課題・教材内容・学習方法等が一人一人の学習成立に機能するように配慮する。そのさい、個別の学習到達度を明らかにして、継続した指導がなされるよう記録の累積を図るようにする。
(2) 複式学級にあっては、直接指導と間接指導との有機的な関連を図り、特に間接指導における話し合いや教科に応じた学習の進め方などの学習方法の訓練を重視して、主体的な学習がなされるよう留意する。
また、教材の精選と指導の重点化に配慮し、時間的なゆとりの中で、個別的な指導が行われるようにする。
(3) 視聴覚教材の利用・教材や資料の自作・機器の活用を積極的に行い、学習の意欲化や経験の拡大、授業の効率化が図られるようにする。
2 特別活動の指導
(1) 児童・生徒活動では、自己の係の責任を主体的に工夫しながら果たせるよう個性を生かした役付けや援助のあり方を工夫する。また、活動の集団化を図り望ましい経験の積みあげと活動の効果を高めることを意図し参加学年や運営のあり方を工夫する。
(2) 児童生徒の発想や創意を生かしたり、意欲を高める指導とともに、恵まれた教育環境を生かした行事を工夫する。
(3) 適応指導や進路指導など児童生徒の一人一人の実態・実情に応じた学級指導計画を作成し指導を徹底する。
3 道徳教育
1) 「一人一人の道徳性・生活の実態が把握しやすい」「月・週の生活目標の個別化が容易」「家庭との連携が図りやすい」等の長所を生かし、道徳的実践の指導が適切に行われるよう配慮する。
2) 「固定的・画一的な思考傾向」「話し合いが深まらない」などの問題点を考慮し、発問・資料の選択・教師の働きかけ等を工夫して、道徳的な価値に気付かぜ多面的な考え方に拡大してやれるようにする。上下の学年差を考慮の上、協同して価値が追求できるよう指導を進める。
九 幼稚園教育
(一) 発達課題をとらえた教育課程の編成
1 的確な幼児理解
幼稚園教師に何よりも求められていることは、幼児に対する深い愛情と理解である。幼児が何に興味を持ち、どのような考え方をするか、何をきっかけとして活動に取り組むかなどをとらえることは、経験や活動の選択・指導方法を考える時の大きな要因となるからである。幼児を理解するに当たって大切なことは、
ア 幼児の内面をとらえる努力をすること。
外に現れた言葉や動作ばかりでなく、何を感じ、何を考え、何を望んでいるかなどをとらえるようにする。内面をとらえることは、外に現れた結果だけを要求することなく、幼稚園教育で大切な興味・関心・意欲・自主性・工夫・感動などと言ったことに目を向けることにつながるのである。
イ 一人一人をとらえること。
個人差の激しい、また未分化な幼児を集団の中で、より適切に指導するには、一人一人の興味、遊びかた、友達
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