教育福島0063号(1981年(S56)08月)-035page

ン、卓球)

・ネット(バレーボール、バドミントン、テニス、卓球)

・ラケット(バドミントン、テニス、卓球)　　・高低測定器

・移動式球技作戦板　・ボール整理籠

・ポートボール台　　・得点表示板

・用具・器具運搬車　・支柱整理台

・低、高鉄棒　・マット　・跳び箱

・平均台(低)・審判台　・卓球台

　

四　研修生活における

　

体育館の利用

研修参加者は、健康管理、運動欲求充足のために、誰もが体育館を利用することができる。利用に際しては、左記の事項を守り、利用者が多く用具が不足する場合は、交代して使用する。

(一)　利用できる時間帯

○　六時三〇分〜　　七時三〇分

○十二時一〇分〜　十二時五〇分

○十七時○○分〜二十一時○○分

(二)　利用手続き

宿泊棟「管理事務室」に備えた「体育館使用簿」により所定の手続きをしたうえで使用する。

(三)　運動ぐつを着用する。　(足、脚、腰などの安全と床保護のため)

(四)　用具・器具の使用

用具・器具は、用具室にあるものを自由に使用し、使用後は、所定の位置へもどし整理・整頓に努める。(卓球台は、移動しやすい車つきの二つ折り式である。必ず、二人で操作する。)

　

五　体育・保健体育講座の充実

　

体育・保健体育教科を対象として、研修講座が実施されている。

体育・保健体育講座は、小学校体育講座(一次、二次)中学校保健体育講座(一次、二次)高等学校保健体育講座(二次)小・中・高校を同時に行う体育・保健体育主任講座の六講座である。

本県教職員研修の体系化が図られ専門研修として位置つけられているこれらの講座もいよいよ定着し、体育館完成にともない一層の充実を期している。

その主なことがらについて述べる。

　

(一)　授業研究

小・中・高校(一次、二次)各講座に福島県教育センターが研究開発した「2−1−2方式の授業研究」について、研修参加者当該学校の実情に応じた実践研究、講座における「演習」をとおして研修を行う。また、「福島市立瀬上小学校・北信中学校」の理解と協力を得て、小学校体育講座、中学校保健体育講座(各二次)において、授業観察を含めた「演習」をとり入れている。

中学校保健体育講座(一次)においては、会津若松市立第一中学校、栗村謙一教諭の研究発表をとり入れ、研究室践の意義を理解していただくことにしている。

実践研究の第一人者、高田　典衛先生には、小学校体育講座(二次)授業分析研究の第一人者、小林篤先生には、高校保健体育講座(二次)にお出いただき、理論研修の充実を図る。

　

(二)　小学校「保健」

小学校体育講座(二次)に「保健」について研修の機会を新たにとり入れた。小学校における保健学習は、高学年の内容として示されているが、学校における保健教育の重要性にかんがみ今年度から講座内容に位置づけた。

講師には、海外派遣による研修を積まれ、保健教育に造詣深い和唐　正勝先生を予定している。

　

(三)　体育・保健体育主任講座

この講座は、研修講座の充実をめざして、今年度から実施される。

「基本の運動とゲーム」で内容が示され、「楽しくできる」ことを目標として小学校低学年からはじまる学校における体育学習は、生涯を通じて継続的に運動を実践できる能力と態度を身につけ、自己の健康を維持・管理できるようにすることを、体育・保健体育教育のねらいとしている。

児童生徒にこれらの能力と態度を身につけさせるために、小・中・高校の各学年における、発育・発達の状況や実態をとらえ、それぞれの学校種別における実態や学習目標及び学習内容などについて理解し、学習者の立場から運動の特性をとらえ、学習指導の改善充実を図ることが必要である。

講座内容は、「体育主任の任務」「体育経営」「小・中・高体育指導の一貫性」「基本の運動とゲーム」などであり、小・中・高校の体育・保健体育主任が一堂に会し、研修を行い、指導力の向上に寄与しようとするものである。

「体育主任の任務と役割」の著者、石上　秀雄先生(霊山町小国、出身)を講師の一人として予定している。

宿泊研修をとおして、児童生徒の実態やそれぞれの学校の実情について、情報を交換し、理解を深めあって、より充実した研修の機会となるものと考えられる。

　

六　おわりに

　

かつて学んだ、一般体育「理論」や専門体育講座「体育原理」が、学習指導の実態と大きな隔たりのあることを感じたことを思い出す。

教育理念のない体育教育は、技能至上の体育へとのめり込んでゆく傾向を生み出す。今回、改訂された学習指導要領、指導書、解説書は、随所に、体育教育の理念を示している。高校進学率の増加は、前期中等教育と後期中等教育の関連を深め、両者の一貫性の必要は、益々高まるものと考えられる。

おわりに、体育教育に対する時代的要望の高まりと体育館の完成を機に、この施設が、体育・保健体育研修の殿堂たらんことを銘記したい。