教育福島0063号(1981年(S56)08月)-038page

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なごやかな交歓会

(喜多方養護と山都一中)

−会津教育事務所−

 

「助け合い」を身体で体験し、なごやかな実りのある交歓会となりました。

 

喜多方市立喜多方養護学校中学部生徒十五名と山都町立山都第一中学校生徒(二年生三十七名)との交流は、県郡山少年自然の家を会場にして、一泊二日の宿泊訓練をかねて実施されました。合同野外活動などを通して、両校の生徒は、「思いやり」「助け合い」を身体で体験し、なごやかな実りのある交歓会となりました。

この交流は、「経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てる」(喜多方養護)、「いろいろな境遇の人がいることを知り、他人に対する思いやりの心を育て、人間愛の精神を培う」 (山都一中)をねらいとして行われたもので、参加した生徒の表情は明るく緊張感も感じられず、お互いに話したり、手をつなぎあったりして「心の通じ合い」を確かめあっているような姿が見られました。

「一緒にやろうね」とか、グループをまちがえた生徒には、「こっちのグループだよ。早く来て 」などと声をかけあっての野外活動は、ほほえましいものがありました。

野外炊飯をはじめるころからは、小雨がふりはじめましたが、元気な生徒たちは、小雨などものともせず自分に与えられた役割りを一生懸命に励んでいます。六つに分かれたグループではそれぞれが水道や釜やそのほか炊事に必要なものを確保して、手ぎわよく処理をしている姿が見られました。すでに経験しているサーキットやキャンドルサービスで、お互いに心のつながりができている生徒たち1火をもやすもの、水をくむもの、材料を洗うもの、料理をつくるもの、それぞれが仕事を分担しながら生き生きと活動しています。 「はやく食べたいなあ」と大きな声が聞こえてきます。そのそばでは、「頭をふかないと風邪をひくよ」とタオルを貸している姿も見られます。

あとかたづけを終えて宿舎に向かうころには、全員が一つの心にとけあって、歌声なども聞こえてきます。

交歓会終了後に寄せられたたくさんの便りの中から、次の二つを紹介して筆をおきます。

 

山都一中生徒からのお便り

 

養護学校の皆様、お元気ですか。この間の合同野外活動に一緒に参加させていただきありがとうございました。印象に残ったことはたくさんありますが、特に、手足が不自由でありながら、また、言葉をはっきり話すことのできない人たちも、なにをするにしても精いっぱい頑張っている姿に心をうたれました。私たちはやる気になればなんでもできる身体を持っています。皆さんに負けないように頑張ります。最後まであきらめなかった富樫さん、山の上で大きな声で応援してくれた金沢君など印象に残っています。(以下略)

 

養護学校の保護者の声

 

交流していただいて、こんなにうれしいことはありません。本当にありがとうございます。でも先生、こんな子供たちと交流して、山都一中の親さんたちは不満に思っていないでしょうか。もし、ご迷惑がかかれば困ると思っていたんです。山都一中の生徒さんたちが大きくなった時一人でも多く、障害を持った子供たちを理解してくれると思うと、とってもうれしいんです。先生がたも大変でしょうが今後も是非続けてください。

 

楽しい交歓風景

楽しい交歓風景

 

 

 


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