教育福島0064号(1981年(S56)09月)-033page
五 研究を終わっての“会員の声”
● これまでの研究は勤務校周辺に限られ、いわき市全体の自然を調べることのできないままに、過ごしてきたが今回の同好会に参加して、広い視野で「いわきの自然」を知ることができて大変役立った。
● 教材化を目標に研修してきたが、むしろ私自身の研修そのものであり、生徒たちに自然を探究させる動機づけとして非常に役立った。
● 受験指導の方策ばかり話題になっている今日、同好の士が共通の目的意識を持って研究し、理科教師の本質を語り合える仲間ができたことは、非常に心強くうれしい。
● 他に職業を持ちながら、生涯を通して、理科の分野で専門的な研究を深めておられる講師の先生がたの指導に接し大きな、刺激と感動を受けた。
● 学習させたい素材を地域の実態に即して、時期や場所などを十分生かした年間指導計画を作成するのに役立った。
● 私自身の足で直接経験したので野外学習をどのように組み立てて行けばよいかについて多くの示唆を得た。
● 講師の先生がたや、同好会の会員と親睦を深め、楽しい雰囲気で研究できた。
● 地学面の研修は系統的にすすめられ、ある程度理解できたので、今後はまだ研究不足の生物分野について研究を進めたい。
六 おわりに
いわきの各地を探究し、研究の成果を教材化したとはいえ、ほんの数歩を歩き出したに過ぎない。「もっと歩いてみたい。触れてみたい」という意欲で一杯である。
「教える者は、教える前に調べなければならない」ということばを肝に銘じ前進して行きたい。「いわき民報」一九八一年六月八日付にトップ記事としてわれわれの研究が採録され、多くの反響を呼ぶことができたのも、会員一同の大きなよろこびであり、新たな研究の励みともなっている。
今後は、昨年度の研究が主根になり本年度は新たに支根である生物分野に焦点を絞り研究を進めて行きたい。
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尚、昭和五十五年度の同好会メンバーは次のとおりである。
宍戸昭雄(小川中)、赤木鎮男(四倉中)、香野輝雄(湯本三中・現小川中)、谷田部俊文(久之浜中)、山内正次(豊間中)、山口徹(草野中)、只野勇(平一中)、大和田俊六(赤井中)、水野嵩(小名浜一中)、佐々木達夫(湯本二中・現桶売中)
新生代の地層−浅貝層と化石−
いわきの植物−海浜性の植物・ツワブキ−