教育福島0064号(1981年(S56)09月)-038page

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まちからむらからこんにちは

 

手づくりの花いっぱい運動

 

猪苗代町教育委員会

 

「花いっぱい」なんと響きのよい言葉でしよう。わが婦人会、わが町の「花いっぱい運動」について述べてみたいと思います。

猪苗代町は磐梯朝日国立公園の玄関口に当たり、四季の衣装がよく似合う秀峰磐梯の雄姿をはじめとして、紺碧の猪苗代湖、そして各地に点在する豊富な温泉など、すばらしい自然に恵まれ、四季を通して当地を訪れる観光客は年間四百万人といわれております。それにつれて交通量も年々多くなり、県外車による事故の発生も増大している現状です。こうした時に、猪苗代町婦人連絡協議会の一単位婦人会(長瀬婦人会)で、交通事故のない、明るい家庭づくり・地域づくりと、会員の親睦を深めるために、「花いっぱい運動」を広げようとの声が大きくなりました。

昭和四十四年から実施に入り、サルビヤ、マリーゴールドの花の種を購入し、花の好きな、しかも育苗にすばらしい技術を持った会員のボランティアによって、種まきにはじまる心をこめた管理に見守られながら苗が十五センチメートルくらいに成長すると、会員に五十本くらいずつ配布され、各家庭の庭や空地に花が咲きこぼれました。

また、部落の公共の広場や学校、幼稚園、駅、磐梯学園などにも寄贈し、花の輪が広がって、地域からも大変喜ばれるようになりました。中でも学園児からの素直な礼状を手にした時のほのぼのとした嬉しい気持は今も忘れられまぜん。こうした一単婦の花いっぱい運動が猪苗代町婦人連絡協議会(八単婦人を含む)の努力目標の一つに取り上げられ、よりよい環境づくりをめざしてのボランティア活動も定着しました。

昭和五十三年、猪苗代町の環境美化事業として、フラワー作戦が計画されて、国道四十九号線・百十五号線ぞいにフラワーラインが引かれる事になりました。それについて猪婦連にも協力要請がありました。もちろん私たち会員は喜んで協力し続けて満四年になりました。

それまでの経験を生かして、まず、花期の長いこと。活着のいいこと。集合の美・色彩の鮮やかなことなどを考え合わせて、やはり、サルビヤとマリーゴールドを選び、一年目は三万本、二年目は五万本、今年は更に、ペチニヤも加えて百余名の会員が、一本一本祈る心で一気に植付けをしました。

不思議なことに、植栽の日は毎年好天に恵まれ、その翌日は必ず慈雨がありました。ものの見事に活着し、生き生きと勢ぞろいしている姿を見る時のうれしさはまた、格別の喜びです。やがてポツリポツリ咲き出した花が一斉に、美しいオレンジと、真紅のフラワーラインとなって延々と続き、道行く人々の心をなごませ、眼を楽しませて

 

国道115号線を花で

国道115号線を花で

 

お城山にサルビアを

お城山にサルビアを

 

 

 


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