教育福島0064号(1981年(S56)09月)-044page
教育センターから
電子計算機組織の更新と講座の紹介
はじめに
教育センター事業の一つとして情報処理教育事業が発足してから今年度で十一年目を迎える。
この間、情報処理教育に関する教員研修・生徒実習・調査研究を三本柱として事業を行ってきたが、センターの設備を利用した人員は、教員研修約七千名、生徒実習約二万八千名(いずれも延べ人数)である。
新高等学校学習指導要領では、工業・商業の全学科の生徒に情報処理教育を実施するよう要請している。また、普通科における職業教育として情報処理に関する科目が例示されている。
今後ますます拡充する情報処理教育に対応するため、その普及と指導者養成はより一層の努力が必要であろう。
当初、センターに設置された電算機システム、富士通ファコム二三〇−二五は、当時としては最新鋭の中型機であったが、十年の歳月とともに、機械的部分の磨耗が激しく、ここ数年間は故障のため実習を中断することが多かった。
また電算機技術の発展にともない、機能的にも時代の進展に対応することができなくなっていた。このため、関係当局の深い御理解により、この度、電算機システムの更新予算が計上され九月一日引渡しの予定で新システムの設置作業が行われている。
一 新電算機システムの概要
新システムの機器構成は図1のとおりで、富士通ファコムM一六〇F(製品名)をレンタル方式で設置することになった。(旧システムは買取方式)
レンタル方式は、いつでも新しいシステムと交換できるので、急速な技術の進展に容易に対応できることと、使用期間が六年以内ならば買取方式より安価であるなどの利点がある。
以下、新システムの主な特徴をいくつか紹介する。
(一) 実習の効率化
主記憶装置の記憶容量六メガバイト(一メガバイト=百万バイト)、補助記憶装置の記憶容量千二百メガバイト(二百メガバイトのもの六台)と以前より約二百倍の容量があり、TSS(時分割処理)・多重仮想記憶方式などによって、多数のプログラムを同時に実行させることができる。
これによって、中央処理装置と直結された四十八台の端末機を使って、あたかも一人で一台の電算機を専有しているかのようにプログラム作成から実行まで実習を行うことができる。
せん孔室と電算機室との往復、電算機使用順番待ちなどの時間のロスが解消されるばかりでなく、端末機を通して電算機と対話しながらエラー修正を行うなど実習所要時間は短縮される。
また、各人が端末機を専有できるので、それぞれの能力・進展に応じた個別学習が可能である。
時間の節約と個別学習によって、実
電算機室
プログラム作成室