教育福島0065号(1981年(S56)10月)-035page

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材料の購入に当たっての納品書は当日移動黒板にはり、全員にその価格をわかるようにした。

(九) 「火」集金

欠席者等については、よく考慮して材料の処分それに対する集金にあたるように指導した。二日間で集金を完了し、全員の協力をうながし支払いを長びくことのないようにした。

(十) 「木」店に支払い

当番者は、二人以上で支払いに行くようにし、納品書に従って、支払いをし、領収書を受けとるようにした。この結果実習に関する支払い上のミスはなく、生徒自身も領収書の大切さや公金の取り扱いの重要さを体得することができる。

(十一) 「金」会計簿提出

支払いの終わったそれぞれの納品書領収書は規定に従って所定のところにはり、右側の下段の記入をする。

1)支払った店名と金額

2)一人分の徴集額

3)前班より受けとった繰越金

4)今回集めた合計金額

5)3)+4)の合計金額

6)支払い合計金額

7)差引残高(次の繰越金)

以上の処理を完了して、担当教師に提出し、会計簿点検をうけ、認印をもらって当番の仕事は終了する。この事に関する実習会計簿は、年度ごとに学年、組別に綴をもうけ保管することにしてある。

このような一つの区切りをつけることによって当番任務の重要さ、仕事の順序、食物実習の経理を身をもって体験することができる。

五 結果と反省

この実践研究をすることによって、まず本校生徒の実態をふまえ、また地域性についても十分理解する必要があることを痛感した。どんな小さな事項でも多様化する生徒に対応するのにははっきりと明示して、一つ一つ確認をしながら次の段階へ進む方法が手身近かに感じた対策と思われた。特に食物実習については、できあがることが強く要求され、途中で中止するわけにはいかないので、事前準備を手落ちなく、そして生徒自身の手でやらせるむずかしさは、各学校差こそあれ、心をなやますところと思う。

今回の「当番仕事表」「調理実習計画表」を目安に着々と生徒自身の手で進められていく姿をみるときに、教師としてよろこびを感じないわけにはいかない。それと同時に、次への検討する余地はないのだろうか、と疑問もわいてくる。

これらのルートに従って、事前・事後の処理に結着をつけた生徒自身からも「本当に大変で勉強になりました」と二週間の学習をおえての言葉がかえってくるようになり、それと同時に商店からの苦情や、商店自身のミスにも整然と対処することができ、きわめてすっきりした形をとることができるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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