教育福島0065号(1981年(S56)10月)-036page

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わたしの研究実践

 

野外観察活動と資料収集

伊達管内教職員野外観察同好会

代表山田恒人

 

一 はじめに

地域の自然のみなおし時代といわれる今日、理科教育における野外観察学習は、従来より更に重要な意義をもってきている。

したがって、自然を見る場と機会を積極的にとらえ、野外観察のしかたをどう生徒に身につけさせるかは、私たちが正面から取り組まなければならない課題であると考えられる。

このような趣旨から、管内における野外観察のための基礎資料の収集・整理にあたってきたが、発足後二年たらずでまだ日が浅いため、その成果を報告するまでにいたっていない。そこで主に会発足のねらいや活動の現況について述べてみたい。

二 会の組織と活動の概況

(一) 同好会誕生の動機

地区の理科研究会の際、野外観察学習の現状とその進め方が話題となり、地域の資料収集をしてはどうかという提案があった。個人での調査には限界があるということで、共同で伊達管内の野外観察教材の資料作成を進め、積極的に授業等に活用していこうということになり、組織的に取り組むことになった。

(二)目的と性格

本会は、理科教育における野外観察学習の基礎資料を得ることと、会員の研修を深めることを目的とし、型にはまった活動でなく、自由で多様な活動に対応できるようにしている。このような活動は、中教研の部会活動にしてはどうかという意見もあったが、勤務時間外の活動でもあり、野外観察・調査という限られた領域を対象とするので、別組織として活動している。

(三) 1)活動内容

観察のための相互研修と資料収集・配布を中心に活動しているが、具体的には次のようなものである。

ア、植物の生態・分布に関する調査

イ、岩石・地層に関する調査

ウ、野外観察学習適地の選定

工、写真撮影による記録の保存と観察

2)活動の記録

活動日は第三土曜日とし、当日実施できないときは日曜日に活動することにしている。観察や資料収集の時間は二時間の予定であるが、夕方まで続くことが多い。観察終了後、その場で資料整理や検討会を行い、次回の活動内容・期日・場所等の決定をして解散をする。これ等の内容は会報にまとめて記録することにしている。

(四) 組織・運営

名称は「野外観察同好会」とし、管内中学校の理科担当教員と本会の主旨に賛同する教員で組織している。本年度は二十三名の会員が参加している。

会の運営は、三名の世話人を中心に会員の意見をもとに企画・運営に当たっている。なお、記録写真や会報「同好会だより」の発行等の費用は、会費によって当てている。

三 観察活動の内容

(一) 植物の観察、調査、資料収集

現在十二か所で植物の種類、生育状況の調査を完了した。

また、学校庭園の樹木名や校地内外の観察地としての適否を知るための調査も実施してきた。

保原町柱沢地内では、春、夏、秋と季節ごとの観察・調査も実施してみた。今後他の場所でも実施の予定である。

植物の種類は、五十五年度分として三百十二種についてカラー写真で記録しアルバムに整理して保存している。

(二) 岩石・地層の調査・資料収集

伊達管内の地層や岩石は、洪積層・沖積層・カコウガン・アンザンガンなどと多様だが、観察学習場所の適否に

 

ただいま調査中(霊山町永井鉱山)

ただいま調査中(霊山町永井鉱山)

 

 

 


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