教育福島0065号(1981年(S56)10月)-037page
ついては、今後の調査課題である。
霊山町の鉱山では、セッカイ岩やザクロ石なども観察できるし、管内のボーリング資料も今後の基礎資料として集めてある。
(三) 小動物の観察、調査、資料収集
現在の理科教育の中には、生態的な扱いとして、身近な小動物や食物連鎖の学習がある。この基礎資料として校地内外の調査を進めたが、今のところ学校単位の報告だけであるので、今後の観察活動に努力していきたい。
(四) 野外学習の指導計画の作成
野外学習の指導計画作成では、教室の学習計画に対し、次の四点を加えることによって今後の指導に役立てていきたいと考えている。
ア、事前指導から、集合・移動・観察学習・解散までの時程
イ、野外学習の実施場所の見取図
ウ、観察した動植物や、岩石・地層の一覧表
工、生徒の実践記録と反省、感想文等の記録
こうした内容をふまえた事例が報告されている。これによると、観察場所やコースが明確なため、活動内容の時間経過もわかること、また、植物、小動物についても環境とコースにあわせて記録されているなどのことから、次年度の利用や、他地区での指導計画の作成にも活用できるため好評である。今後ますます事例を多く累積できるよう努力していきたい。
(五) 情報の記録、会報の発行
植物の記録は、写真撮影を中心にして現在約四百枚ほどになっている。それぞれについて種名の調査を完了し、アルバムに整理し、保存している。
また、岩石・地層についても、写真による記録にとどめ、必要に応じた文献研究・調査を会員で分担し実施している。
これらの写真による記録は、種名のラベルをつけて会員に実費配布をしている。(記録写真とラベル参照)またこれらは、各学校の授業においても十分活用されるよう、活用法などを会員で検討しているところである。
会報の発行は当初計画していなかったが、実践記録の報告をかねて、「同好会だより」として整理することにし輪番で執筆している。現在十四号に達しているが、単なる実践記録にとどめることなく、文献紹介なども加味しながら、内容の充実に更に努力していきたいと考えている。
四 あとがき
本会はやや同好の士の趣味的要素を含んではいるが、今後とも資料収集・調査の幅を広げ、会員の研修を深めながら直接的に学習指導へ役立てることを願っている。
また、現在までほほ毎月一回ずつの研修を継続して実践できたことは、会員の各人の特技や専門分野を生かしながら活動し目的遂行のため協力しながら努力してこれた結果と考えている。
今後も、会員のチークワークを尊重しながら、資料等をどう授業に活用していくか、会員相互の研修を深めながら、新しい課題に取り組んでいきたいと考えている。