教育福島0065号(1981年(S56)10月)-040page
まちからむらからこんにちは
高齢者人材活用事業
石川町教育委員会
一 はじめに
昭和三十年町村合併促進法に基づいて石川町を中心とした周辺の沢田村、山橋村、中谷村、野木沢村、一町五か村が合併して現在の石川町が誕生した。当町は福島県の南部阿武隈山系の一角に位置し、面積一一六・四平方キロメートル、人口約二万一千人の地域である。
ここは昔から山間の中にあって、茨城県に近く、いわき浜通りに近寄っているため、中通り地方としても、冬温暖で夏は涼しく住み易い。ただ地形的には全体の大部分が老年山地に入り老年山地特有の小さく低く山々が重連し林地も多く山腹の斜面はタバコ、養蚕に利用されている。
また、それらを縫うように水田が開かれているが、いずれも小規模である。それでも西側にあたるところは社川、阿武隈川が流れそれによって開折された流域には広大な美田が開け丘陸性の台地には都会むけのそ菜畑なども見られる町である。
二 わが町の高齢者教育
わが町における高齢者教育は中央公民館をはじめとして、各地区公民館を中心に進められている。
昭和五十年の国勢調査によると六十五歳以上の高齢者人口は九・七%を、かぞえ、これを契機に各地において高齢者教育が盛んに行われるようになった。
現在では、その学級数も六学級で、二百四十六名が学んでいる。その学習内容も他町村同様、高齢者が孤独から解放され健康で豊かな老後を生活の中でどのようにして確保していぐか、また高齢者人口の急増により高齢者がもっている知識や技術をどのように地域に貢献し、いかに老人の社会参加が必要かが高齢者教育の主目的である。
三 高齢者人材活用事業
石川町では、昭和五十四年度に県の補助事業として高齢者人材活用事業(石川町高齢者リーダー・バンク・表1)の研修を行い、高齢者リーダー育成を図っていった。
その成果も少しずつ表れ今日ではリーダー・バンク登録者も約六十名にも達している。
活動例から
1) 母畑地区に伝わる無形文化財・熊野講・北山ささら保存会の指導等後継者育成に大きな役割を果たしている。
2) 野木沢地区の曲木区では高齢者が積極的に子供会活動に参加し、地区内文化財めぐりや、子供会キャンプなどをとおして、子供とのふれあいを求めるなど、青少年健全育成に大きな役割を果たしている。
高齢者リーダー研修会
母畑地区熊野講