教育福島0065号(1981年(S56)10月)-042page
まちからむらからこんにちは
高齢者の学習活動
桑折町教育委員会
高齢者教育が脚光を浴びるようになってから十年、各地の高齢者学級の隆盛は目ざましいものがある。
本町の高齢者学級も十六年の歩みをもち、現在のように高齢者大学・大学院制度にきりかわってからも、既に三年を経過している。
一 高齢者大学・大学院
大学は四年間、大学院は大学卒業二年間の課程をもって卒業することになっている。この制度によって、次の各点が改善されてきた。
(1) マンモス学級・過密学級の解消
一学級二百名をこえると運営に支障をきたしてくる。そのため、年々卒業生を送ってからは、新しい一年生の公募を約二十名程度に抑え、マンモス・過密の緩和を図った。
(2) 出席率の向上(表1)
欠席がちな学級生は、本人の意志を確め、休学、または中退の措置をとっている。そのためか、出席率は高まり、学習効率も高まってきた。
(3) 自主的活動の促進
学級役員は、二年間、四年間それぞれ継続することによって、仕事に習熟し、学習計画にも参与できるように配慮した。そのため、学級運営の細部にわたって自主的な活動が活発になってきた。
1)大学
四年間を見とおした継続学習の企画運営ができるようになってきた。例えば、郷土史学習において、文化財の意義、郷土の文化財見学、文化財研究法と学習を深め、保存顕彰活動へと進んできている。また、大学の学習は、一回二時間を原則とし、年間四十八時間をめやすに実施している。 (酷暑の八月、酷寒の十二月から二月までは休み)このうち、交通安全老人大学に年間八時間を当て、大学院との合同学習日も設けている。
2)大学院
大学の基礎の上に、自主的活動を強め、自己研修を奨励している。大学院生は、よき先輩として、地域老人クラブにおいてもリーダーとして活躍している。
3)百寿同窓会
大学院卒業生をもって組織する同窓会は、百寿を目ざして相互の親睦と地域老人クラブの中核役員として、福祉社会の建設に寄与している。
在学生の年齢は高く、一年生でも平均六十八歳の高齢である。また、年齢性別、教養、経験においても、個人差は著しい。しかし、高齢者には、個人差よりも、いかにして老齢意識の改革を図るか、このことに重点をおいている。やればできるという気力を奮いたたせ、楽しい学級にしょうという協調性を大切に指導している。
二 学習内容と方法
(1) 学習内容
高齢者の共通意識、興味関心を示す次のことがらから学習課題を選んだ。
ア、健康安全
イ、家庭生活と人生
ウ、社会の変化や若い世代の理解
工、作品展、移動学習
表1(出席率)
(平均年齢)
まだまだ元気(町民体育大会)