教育福島0065号(1981年(S56)10月)-043page
オ、趣味
カ、社会参加
キ、郷土の歴史
(2) 学習方法
見たり、聞いたり、話し合ったり、つくったり、運動したりして学ぶのであるが、これらの方法に対しても、事前に、学習方法になじませておくようにしている。
<例>講義学習のエチケット
講話はよく聞いて、講師に失礼にならぬことが肝要である。 「きき土手、メモをとる人にボケはない」と結んだところ声あり。
○あくびせずいねむりもせず席たたず
○ありがたやうなずきながら眠りけり
○どうしてもついうとうとの講話なり
睡眠剤講師は、高齢老教育には不向きで、ユーモアのある話などが望まれている。一方、うなずきながらきく生徒になれるようにも努力していきたい。
<例>話し合い学習
高齢者は互いに遠慮して、話がはずまない事が多い。雰囲気になれないためである。しかし、身近な話しから始め、話し方の形式や進め方へ司会のしかた等々指導すれば、誰でも話せるよらになり、体験発表会もできるようになる。気楽に話し合いができるようになると、学習効果は、予想以上に高まってくるものである。
三 学習活動
(1) 健康安全に関するもの
高齢者の最も関心の高い課題であり、最も熱心に学習する。自分なりの健康法を実践したり、他人にもすすめるようになってきた。ミニゴルフ、ゲートボールなど体育行事への参加も積極的で、老人クラブの対抗懇親試合をしたり、町の体育大会にも参加して元気なところを見せている。
(2) 趣味に関するもの
趣味に関する初歩的な学習により、町内各種趣味クラブに加入をすすめている。その成果は町の文化祭の出品において優秀な成績を収め、生きがいとしている学級生もいる。
(3) 作品展
学習活動の総合的成果は、作品展によってしめくくられる、昨年度は出品点数二百七十点に及ぶ盛況で、書画、手芸、盆栽、置物など、優秀な力作が多かった、
(4) 他団体との連携による活動
郷土史の研究、現地研修など、町の文化財保存会の事業と密接に連携させている。また、奉仕活動は、町老人クラブと連携するし古切手蒐集運動、神社、重点の清掃奉仕、子供遊び場の整理清掃、研修旅行参加など、老人クラブのリーダーの役割を果たしている。
(5) 移動学習(研修旅行)
老人クラブの研修旅行とは全く別個に計画し実践している。旅行計画のたて方、事前研究、資料収集、諸交渉、準備など、時間をかけて学習し、これらの経験を生かして、やがて老人クラブ等の旅行として計画する際に役立っようにしている。移動学習の効果は、学級行事から切捨てられないものがある。幸にも、今までの研修旅行には一件の事故もなく経過しているが、万全の方策をたてて継続していきたいと考えている。
四 今後の課題
(1) 高齢者に学習参加の機会を多くするため、開設場所を小学校学区ごとにおくように、予算措置を講じたい。
(2) 老人クラブや町の福祉行政との連携を緊密にし、老人専用福祉センターの建設促進を図り、気安く集まる憩いの場の中に、研修の機会が与えられるように、施設の充案が必要であると考えられる。
(高齢者教育主事 田村操)
心をこめた作品展
感謝懇親会
文化財移動研修