教育福島0066号(1981年(S56)11月)-044page

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講師に斎藤範幸氏

提言者には伊藤和さん

市町村教育委員会広報連絡協議会

 

昭和五十六年度福島県市町村教育委員会広報連絡協議会は、十月十九日午前九時から、郡山市立中央公民館で開催されました。

会は、県中教育事務所管内の市町村教育委員会関係者五十八名の出席を得て進められ、まず、小平総務課主幹が、「短い研修の時間ではあるが、研修で得た内容を現実の仕事の中に活かせるように努力しましょう」と開会のあいさつを述べた後、主催者を代表して、橋本県中教育事務所長から、「教育行政における広報活動は、重要な役割りを担っている。地域住民の共通理解を図るためにも、更に創意工夫ある広報紙誌づくりをお願いします」と激励のことばがありました。

研修では、小平総務課主幹の「情報化時代の教育広報」と題した講話に続いて、タウン誌「街こおりやま」編集長伊藤和さんが、「教育広報に期待するもの」として、新しいふるさと運動を踏まえて創刊されたタウン誌「街こおりやま」編集の実践をとおして得た広報のあり方と関係させて、読んでもらうための広報紙誌の存在について、読者不在の情報ではなく、しかも目的意識をもった広報はどうあるべきか」という原点に立ち返っての創意工夫の必要性を強調しました。

午後からは、福島民報社取締役斎藤範幸氏の「魅力ある広報紙誌」と題した講演がありました。

氏は、およそ二時間にわたる講演の中で、「編集者の意図を正確に地域住民に伝達するためには、読んで分かる広報内容でなければならない。用字用語など基礎・基本的なものに対して、正しい知識をもつことはもちろんのこと心のこもったものに仕上げることが大切である」などと述べ、楽しい雰囲気の中で話は進められました。

また、紙誌面づくりの方法など、用意された資料をもとに、細かな点にまで説明がなされ、出席者も真剣な表情で話に耳を傾けました。

 

▼伊藤和さん

▲斎藤範幸氏

▲斎藤範幸氏

 

あとがき

 

○ 大雨一過、風の余韻が濁流の川面を渡り、薄の綿をくすぐる。かわいた大気をとおして、陽光が薄の白にまぶしい。野分が、徐々に黄葉を朽ちらせ、まもなく、寒木に虎落笛の季節がやってくる。そしていま、霜月。

 

○ 手許の宝暦によると、文化の日・十一月三日は、一の酉に当たり通日三〇七とある。十干では「乙」、十二支では「酉」。九星で見ると「三碧」、六曜では「仏滅」。九星というのは古代中国の洛書の図にある九つの星。一白、二黒、三碧……と続く。陰陽道では、吉凶の判断に用いたという。六曜はもともと、現在の七曜同様、単に日数の単位にあったものだが、「仏滅」の説明には、「慎むべし。神仏を祭祀するによし」とある。また、二十八宿では、「觜」、十二直では、「とづ」。「觜」のところには、「万事修め始め又普請始め吉」とあり、「とづ」には、「開店その他万事凶、退いて守る日」とある。とすると「觜」と「とづ」が同居している「菊の香かおるこの佳き日」は、どういうことになるのか、と思ったりする。もっとも、現実生活における禍福吉凶などというものは、心のありようひとつでどうにでもなるものであろう。

 

○ この日、自らの軌跡を精進した八七〇名の諸賢が教育・文化の功労者として称えられた。われわれも、「心の灯」だけは絶やさずにいたいものである。 (ひ)

 

 

 

 

 


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