教育福島0068号(1982年(S57)01月)-020page
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研究論文特選
数学
形成的評価問題に到達度を位置づける学習指導
二本松市立二本松第一中学校教諭
穂積 邦明
一 主題設定の主旨
過去の継続研究の中では個々のつまずきの態様の診断、治療に心がけた。しかしつまずきを修正する方法や場の設定および到達目標基準の点があいまいであった。研究の方向として「実態は個人を大切にして把握する」など九点に留意した。
二 仮設
(一)毎時間の到達目標に対する(二)一人一人のレディネスを診断、治療し(三)一人一人の実態に即して(四)到達目標にせまるための授業を組織すれば(五)一人一人に応じた到達目標が達成できる。
三 検証構想(仮説の小番号ごとに)
(一)1) 単元の節ごとに、規準を設定する。
2) アイテムサンプリング中の最適問題を最低到達基準問題とする。
(二)1) 下位行動目標にしたがって、レディネスとしての診断的評価問題を作成し、毎時間に位置づける。
2) 単元に入る前に診断的評価問題を実施し、個々に診断をする。
3) 2)の結果と到達基準ごとに、次のように分類する。
・A段階(診断的評価問題がほぼ解決されていて最低到達基準問題の解決以上の到達が期待できる者)
・B段階(診断的評価問題の解決にミスはあるが、自力で最低到達基準問題の解決が期待できる者)
・C段階(診断的評価問題の解決が自力で果たせず、最低到達基準問題の解決が困難と思われる者)
4)右の各段階ごとに次の治療を実施することとする。
〈A段階グループ〉
・問題解決の際の正確性・スピードに対するアドバイス
・別解へのアドバイス
・形成的評価問題として難易度の高い問題へのアタック
〈B段階グループ〉
・問題解決の際の正確性・手順・スピードに対するアドバイス
・誤答修正を自力で診断・治療できるための資料とヒントの提示
〈C段階グループ〉
・最低到達基準問題に対する個々の解決方法の決定と個別指導
(三)1) レディネス・知能検査・学習適応性検査結果を個別に把握し問題傾向や解答状況をチェックする。
2) 1)に対する個々のフィードバック計画と、アドバイスの計画をする。
3) 1)の計画に応じて、個々の到達目標を最低到達目標以上に設定する。
4) 個々の到達方法の計画をする。
5) 4)のためのアドバイスとフィードバック方法を、授業に位置づける。
(四)1) 到達目標解決のための方法と資料の位置づけをする。
2) 個々に応じた発問に工夫する。
(五) 達成の程度を次の場面で確認する。
1) 最低到達基準問題への到達状況
2) 学習時、単元終了時における形成的評価問題への到達状況
3) 中間、期末テスト時における相対的評価問題への到達状況
4) 毎時の観察的評価を座席表に累積した関心、態度に関する状況
5) 知能B式タイプが多い実態より問題解決に対する手順、正確性等の処理能力の観察結果の状況
(六) 検証の対象
1) 対象学級 三年二組 四十三名
2) 対象単刀 三年多項式
(七) 検証の方法
教育研究の手法に基づく実践ではないがアクションリサーチ方式的手法による研究を進める。特に次の五点で到達度状況の変容を考察する。
1) 毎時に関するレディネスの変容
2) 評価問題の到達度状況の変容
3) 事後テスト、把持テストに対する到達度とその変容
4) 実践内容、特に到達度評価に関する生徒のアンケート結果
5) アドバイスおよびアナライザーの位置づけとその結果
四 実践経過
(一) 昭和五十五年度実践経過(省略)
(二) 昭和五十六年度実践経過
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