教育福島0068号(1982年(S57)01月)-021page
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教材の精選、授業の改善、診断的評価テストの工夫、学習資料やアナライザーを活用し、座席表への観点別評価等の累積をしながら、毎時の授業の中で研究を進めた。図1は実践の概要である。
1) 初めに各評価問題のために、三種類の教科書から多項式に関する問題をぬきだし、小単元の章や節ごとに難易度に応じて五段階に分類し、各段階において共通度合いの高い問題を抽出した。 (図2)
これを指導計画に位置づけた。
2)3)4)5)6)省略
7) 到達度評価の改善として、到達基準と程度を、次の(ア)〜(エ)のように設定した。
(ア) 重要基本問題の到達基準は、完全解決を到達段階Aとし、到達の水準はさげない。未到達者に対しては、関連学習や個別指導の中で再々指導を図る。
(イ) 基本問題の到達基準Aは正答率八○%、応用発展問題は正答率六〇%以上とした。
(ウ) 観点別評価に適する問題を設定し、発問の工夫およびアナライザーの活用により、座席表に反応状況を累積し、到達度評価の工夫とした。
8) 事中指導における改善として、図3のように位置づけ、指導過程の中では導入時および問題練習の段階で強化を図った。
9)10)11)12)13)省略
14) 「単元の事後テスト」・「診断的評価問題及び把持テスト」の内容を表にまとめ(図4)個別評価の資料とした。特に到達度評価の中で、単元の基礎・基本事項(最低到達問題)に対する到達状況、個人の努力点を認めてやるための個人内評価等に対する、より科学的根拠のためのデータとした。
15) 14)と同様に、他の二単元における記録を累積し、一学期全体の評価として一覧表を作成し、(図4)本人や家庭に対する適切なアドバイスの資料にすると共に、学級担任との連絡を密にし、学習時における生徒指導としても役立てた。なお努力(向上)した点や二学期への努力点の内容は夏休み前に生徒と面接をし、アドバイスした。
16)省略
五 検証考察
(一) 毎時の学習に関したレディネスの変容
1) 多項式の診断的評価問題は、九十五パーセント(四十五名)が定着できた。
2) 特に学期評定(10段階)における4〜6の段階(中位層)に効果が見られ、中位層に対する対策の一つに、なった。
3) 出席番号女子七番、十一番の生徒については、実に年間を通じて個別指導を続ける。
4) 生徒へのアンケート結果(紙面の関係で省略)多項式の診断的評価問題に対する反応、計算の学習訓練に対する反応および学習資料に対する反応からも、教師観察結果と一致した。
(二) 毎時の形成的評価問題に対する到達度状況の変容。
1) 資料No.11(略)から男一名女二名の生徒以外、最低到達基準以上に理解されたといえる。これはアンケート皿の結果と一致した。
2) 「(ax+b)(ax+c)の形」と「数の計算への応用」については目標設定通りに到達しなかった者が多く再学習後到達させた。
3) 生徒のアンケート結果からも、意識の面においてもへ生徒の自主的な問題解決に効果が見られた。
4) さらにアンケート4)のレディネスの診断、治療を含めたプレテストの再指導により、次時の自主的な問題解決の誘因として良い結果を得た。これは形成的評価の大事な点である。
5) 観点別評価問題を、毎時の学習の中に位置づけたことにより、単元ごとの観点別評価が可能になつた。ただし、どの単元(教材)では観点別評価の内容をどうおさえどの場面に位置づけるかは今後の研究としたい。今回は問題練習場面で、観点別評価を意図的に位置づけ、アナライザーを活用して、座席表に累積し、その結果を個人ごとに記録して、学期の観点別評価の資料にできた。 (図4→5)
(三) 単元のレディネステストと評価問題テストの実施結果(図4)省略
(四) 到達度評価に関するアンケート結果、各種評価問題の調査目的、内容解決方法、自己評価方法をしっかりと生徒に情宣すれば、到達目標を生徒が自主的に設定し、意欲的な活動を行い、個々の理解度が高まるという当然と思える結果を再確認した。
(五) アドバイスおよびアナライザーの位置つけと結果に対しては、生徒アンケート資料から考察した。
1) アドバイスについて
(ア) 全体的にもアドバイスによる効果が見られ(アンケート5))特に中位の生徒の興味関心と学力を育成するのに効果があった。
(イ) 反面、一度もアドバイスを受けていないと反応した者の原因の一つに、機器室のアナライザーの位置が左前にあり、左後列にいた上位置が死角になったことと、彼らが形成的評価問題を解決していたために、アドバイスが個人的に少なかったためでないかと反省した。更に座席表などの利用を工夫し、適切なアドバイス、発問に心がけたい。
(ウ) 差別感を持った場面があった者(女子一名)については、個
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