教育福島0068号(1982年(S57)01月)-030page
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つけをおこす。離乳開始二歳六か月、同完了三歳○か月、幼児期、歩行開始四歳
(三) 指導の経過
特定のものへの固執性が強く、ボールいじりをはじめるとそれから次の課題への移行が難しい。このような特性から本児の遊びはおのずと閉鎖的になり拡がりがなくなる。そこで障害物遊び、ボール遊びなどの活動のなかで適応力を高めるよう指導を続けた。そのなかで指示による着席行動などもできてきている。
事例3)(小学部普通学級の実践)
〈テーマ〉
集団参加がむずかしい子供の遊びの指導
(一) 事例の要約
W・K 男 昭和四十九年五月二十九日生 小学部一年
本学級グループでは集団遊びを中心にして研究を進めてきたが、なかなか集団への参加が困難な児童も多い。その中で本児は、特に遊びの経験も乏しく固定遊具も恐がり集会でも教師にしがみついているといった状態であった。そこで集団遊びを通して少しでも自発的な行動が発現するよう、また意欲も芽ばえさすことができればと取り組んだ。
(二) 対象児の状況
学習に取り組む態度は形成されていないが、要求は「アー」「ナー」という喃語と手を引いて表現する。また、「バイ、バイ」「ポッポー」「モーモー」「ワタル」などは状況に合った使い方ができる。
○遠城寺式乳幼児分折的発達検査
DQ二十二、
○生育歴の概要
胎生期、出生期は異常なし、乳児期ひきつけをおこすが発病時期は不明、幼児期、歩行二歳二か月、おしめとり二歳四か月、言語、三歳、三歳児検診でことばや歩行の遅れの相談をし、I病院に訓練のため通院、養育者が祖母にかわりなかよしホームに通う。昭和五十六年四月T学園入所、同本校入学
(三) 指導の経過
本学級グループでは週一時間の合同遊びで研究を進めてきた。内容としては、リズム遊び、サーキット遊び1)2)3)、ボール遊びなどである。それらの活動の中で本児は初め、活動になじまず途中で逃げ出したり、遊具のまわりでじっとしていたり教師にしがみついていたりしたが、今は学級よりも大きい集団での活動で遊具にも慣れ自発的に取り組むようになっている。他の学級の児童に手を引かれてもどうにか参加できるようになっている。
事例4)(中学部普通学級の実践)
〈テーマ〉
集団の中で遊べる子供を育てるためにはどう指導したらよいか
(一) 事例の要約
本指導事例では特に一つのケ−スを取りあげてはいない。しかし普通学級でも情緒面で問題があり、集団への参加が困難で他の生徒のかかわりのないものも多い。これらの生徒を興味のある素材を用いてゲ一ムを工夫し、それに参加させることで集団への参加の糸口を求めた。
(二) 指導の経過
本グル−プでは昨年度指導していたボール遊びが単なる技術的なものの習得に力点がいき、生徒の実態や興味を考え合わせることがおろそかになっていることから指導の内容の変更をしている。その結果、「風せんバーン」、「風せんばくだん」といった興味ある遊びが工夫された。「風せんバーン」では風せんを割る楽しさを、そして「風せんばくだん」では四つのチームとルールを作り、ト−ナメント式で対戦させ勝ったチ−ムを表彰した。これらのゲームを主体にした遊びを通して能力の高い生徒が、参加できない生徒の手を引いて参加したり、ゲームに対する対応の仕方でも向上した。そして、少なくとも他の生徒とかかわりのなかった生徒も、遊びの中では他の生徒とかかわる場面が見られるようになってきている。
四 事例のまとめ
ここに掲げた指導事例は、本研究発表会においての問題提起資料を要約したものである。1)2)は第一分科会、3)4)は第二分科会のものである。要約としてその外郭を述べるにとどめる。
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小・普グループのサーキット遊び
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中・普グループ風せん遊び
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