教育福島0068号(1982年(S57)01月)-039page

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成人の日に贈る一冊の本

 

県立図書館館外奉仕課長

赤座信道

 

図書館コ−ナ−

図書館コ−ナ−

 

今年も成人の日におくる一冊の本を紹介いたします。若い人に“あなたは本を読んでいますか”と質問をすると、 “読んでいます”は当然ですが、“何を読んでいいか…、忙しくって…すぐにあきてしまう…”といった答も多くあるということです。そこでこうしたなやみをのりこえて気軽に読書に親しめるように、全国の読書施設関係者が若い人たちに読んでほしいとリストアップしたものです。

成人式の記念品などに贈ることも意義あることではないでしょうか。

 

「図書館活用百科」〈紀田順一郎新潮社 八五〇円〉

情報化時代、町の図書館を自分の書斎として活用するために、十二の図書館を選び、その歴史とともに上手な利用の心がまえを説く。

「古典の読み方」〈谷沢永一祥伝社 六八○円〉

「論語」「悪霊」「ジュリアス・シーザー」「プルターク英雄伝」「三国史」他、九冊の古典から最も有利な生き方のすすめを学びとろう。

「読書有朋」〈渡部昇一・谷沢永一 大修館書店 一、○○○円〉

朋遠方より来る有り亦楽しからずや1日ごろ愛読する粒よりの名作エッセンスを語りあった、興味つきない名対談

「続読書日記」 〈江国滋 朝日新聞社 一、一〇〇円〉

一五〇余冊の読後感の合間に、四季折々の著者の身辺や世相を軽妙な筆で描く。ユニークな読書案内であり、味わい深い文明批評でもある。

「読書の旅−愛書家に捧ぐ−」〈森本哲郎 講談社 一、二〇〇円〉

読書は自己の世界を拡げる旅。それもまわりの風景を眺めながらの長い旅路。古今東西の名著・奇書を訪ねながら、真の読書とは何かを語る。

「青春をどう生きるか」〈加藤諦三 光文社 六三〇円〉

一度きりの青春の予定表を、あなたはどうやって創り出すか。この本は、可能性を広げ、自信をつけるためのパスポートだ−(著者)

「歴史の夜咄(対談集)」〈司馬遼太郎・林屋辰三郎小学館 一、八○○円〉

歴史文学の巨匠、司馬遼太郎氏と、日本歴史学界の泰斗・林屋辰三郎氏が一期一会の思い出を語り合った日本と日本人論。

「物語世界史への旅」〈大江一道山崎利男 山川出版社一、三〇〇円〉

世界史の歩みが楽しく平易に理解できるよう、古代から現代までの、世界史上のできごとや人物を、物語風に叙述。世界史への旅にいざなう。

「中国現代史」〈中嶋嶺雄 有斐閣 一、四〇〇円有斐閣選書〉

アヘン戦争から中国革命を経て四つの現代化まで、一四〇年に及ぶ歴史のドラマをあざやかに描く。現代中国の実像を検証。

「男友だちの部屋」〈佐藤愛子集英社 八八○円〉

男たちへの心の窓を開けた時、さまざまな人生が見えてきた。マコトの男とは何か、男と女の友情は可能かなどをサラリと語った交友エッセイ。

「めげない男」〈塩田丸男 ダイヤモンド社 一、二〇〇円〉

いま、最も必要なものは、 "めげない精神"だ。男の復権、男の証明を求めてさまよう現代人に贈る痛快エッセイ。

「米国さらりーまん事情」〈松浦秀明 東洋経済新報社一、二〇〇円〉

ここが違う、日米サラリーマン比較。無一文で留学し、米国大企業に在勤二〇年。目で見、肌で感じた米国サラリーマンの姿を共感こめて描く。

「いくさ世を生きて」〈真尾悦子筑摩書房 一、二〇〇円〉

沖縄戦の深い傷痕をかかえて生きた女たちが、一人ひとりの命こそが宝である世を願って、いま、その胸のうちを語る。

「曙のイスラマバード」〈木村駿・治美 文芸春秋 一、○○○円〉

著者夫妻がパキスタンを訪れ、イスラムの世界や、発展途上国についての見聞と考察をわが子への手紙のかたちで綴る。

「江は流れず−小説日清戦争−」〈陳 舜臣 中央公論社 上、中、下各一、二〇〇円〉

朝鮮をめぐって風雲急な東アジア。日清戦争の全ドラマを、李鴻章、衰世凱、陸奥宗光ら多彩な人物群像を描く。

 

 

 


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