教育福島0069号(1982年(S57)02月)-009page

う指導を工夫する。

(三)　実際に書く活動を十分取り入れ、書くことをとおして表現力をつけるよう考慮する。

(四)　一人一人の文章表現力を養うため実態に応じ、特に基礎的な事項を取り上げて指導するよう考慮する。

(五)　評価や作品の処理方法を工夫し、書く意欲や喜びを持たせるようにする。

　

三　文章を正確に読む能力を高めるとともに、豊かな読書力の向上を図る

　

(一)　教材を文章の内容及び言語事項の両面から分析し、指導事項を重点化し、文章を正しく読む能力を養うための計画を整備する。

(二)　言葉の持つ機能を的確にとらえ、どんな言葉で、どのように書かれているか、その言語表現を理解させるとともに、文章内容を正しく理解させる能力を身につけさせる。

(三)　読む活動の中に表現活動を取り入れ、表現力と理解力が一層高まるようにし、学習で得た能力が、日常生活に役立つよう配慮して指導する。

(四)　学校図書館の活用を促す指導を工夫し、読書に対する興味と意欲を高め、すすんで読書に親しむ態度を育てる。

　

中　学　校

　

国語を正確に理解し、表現する能力を養うとともに、国語に対する関心を深め、言語感覚を養い、国語を尊重する態度を育てるようにする。

なお、指導に当たっては、「言語の教育としての立場を一層明確にする」の基本方針に沿い、言語活動の重点化を図り、文章表現をはじめ、言語表現力と読書能力を養うことに重点をおくようにする。

更に、各学年の目標や各領域の指導事項を教科書との関連で確かめ、単元題材、単位時間のねらいを明確にして学習活動を展開する。

　

一　国語科における基礎的な能力の育成に一層努力する

　

(一)　漢字や語句、表記や文法事項等の指導を重視し、単元、題材、単位時間の指導計画に位置つけ、系統的な指導と個々の実態に応じた指導を工夫する。　　　　　　　、

(二)　聞くこと、話すことの指導に当たっては、「表現」「理解」の関連を考慮し、特に「正確に聞きとること」と「的確に話すこと」に重点をおき指導計画、内容、教材を検討し、ねらいを明確にして指導する。

　

二　作文・書写の指導を計画的に行い文章表現力の向上を図る

　

(一)　作文を主とする指導計画を検討し実際に書く時数を確保する。

その際、学年の発達段階に即し、作文指導の目標、指導事項をおさえ学年の系統を踏まえて計画する。

(二)　作文活動をとおして思考力を高めるため、物の見方や考え方を広め、深化できるよう指導の工夫をする。

(三)　作文活動過程の各段階で、何を、どのように書かせるかを明確にして指導する。

(四)　実際に文章を書く機会を多くし、書くことをとおして表現力の向上を図る。

この際、読むこととの関連を考慮し、言葉のきまりの指導が適切に行われるように配慮する。

(五)　書写の指導に当たっては、国語科書写の性格をとらえ、指導時数を適切におさえて指導計画を検討し、書写学習の成果が、生徒の日常生活の中で生かされるよう指導の工夫をする。

　

三　文章を正確に読む能力を高めるとともに、豊かな読書力を身につけさせるよう努める

　

(一)　生徒の実態に即し、読解技能の系統を踏まえ、文章を正しく理解し、鑑賞する能力と態度が確実に身につくよう指導内容、方法を検討する。

(二)　語句、文、文章構成、文体、要旨、主題などについての指導内容、方法について検討し、文章表現力の向上を図る。

(三)　文章の記述に即して内容を読み取る能力を高めるとともに、その能力が読書力へ発展するよう配慮する。

(四)　学校図書館の利用を促す指導を工夫し、積極的に読書する意欲を喚起し、読書の楽しさを得させるよう配慮する。

　

四　教材内容の研究を深めるとともに、効果的な指導法について研究する

　

(一)　指導のねらいを明確にし、指導事項をおさえ、ゆとりある指導過程を組織し、生徒の自主的学習態度を更に育成するよう工夫する。

(二)　指導事項を中心に、教科書教材を十分に検討し、生徒の実態に即した適切な活動を選んで指導する。

(三)　授業では、生徒の興味や問題意識を大切にし、集団の課題意識まで高めるよう工夫する。

更に、個人思考と集団思考によって、個々の思考を深め、練りあげていく学習方法を身につけさせ、学習の楽しさ、喜び、期待感が一層得られるようにし、人間形成につながる思考力や心情、技能を高めるように努める。